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「離島の異空間 池島全景」出版 炭坑の今昔伝えるフォトブック

6/16(金) 10:14配信

長崎新聞

 東京都在住の著述家、黒沢永紀(ひさき)さん(56)が、2001年に閉山した長崎市の池島炭坑の昔と今の姿を伝えるフォトブック「離島の異空間 池島全景」を出版した。2004年から12年間通い続けて撮った400点以上の写真や文章を通して、池島の絶景や島民の生活、炭坑施設の魅力を伝えている。

 端島炭坑(軍艦島)に関する本を多く出版し「軍艦島伝道師」の肩書も名乗る黒沢さんは、取材の中で坑道や石炭生産工場などが稼働時のまま残っている池島炭坑にも着目。軍艦島の後を継ぐように操業した池島には、当時の世界情勢や経済、労働問題、社会構造など日本のあらゆる局面が凝縮している-と魅力に引き込まれ、「池島を感じて考える感考(かんこう)フォトブック」を作ろうと取材を重ねた。

 11章構成。暮れなずむ池島の全景から始まり、坑内で使われた蓄電池機関車や廃虚となった炭坑アパートなど、池島のありのままを紹介。膨大な費用と労力をかけて完成した海底坑道の様子も細かに収め、石炭を採掘する仕組みや機械などもイラスト付きで詳しく解説している。

 池島は現在、人口約150人に激減したが、最盛期の1970年代には7700人超が暮らした。フォトブックでは、まちの暮らしにも注目し元住民のインタビューなども載せている。

 黒沢さんは「池島はエネルギー革命の前夜にスタートし、炭鉱産業の幕引きの時代を疾走した場所。原料産業の生き残りをかけた最後の戦いに、メイド・イン・ジャパンで挑み続けた炭鉱の姿を感じてもらえたら」と話している。

 フォトブックは三才ブックスから出版。定価2300円。

長崎新聞社

最終更新:6/16(金) 10:14
長崎新聞