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マツダやスバルから評価を受けるインパネ材、世界展開へ

6/16(金) 11:40配信

ニュースイッチ

日本ゼオンが世界3極体制へ

 日本ゼオンはインストルメントパネル(インパネ)用表皮材の供給能力を高め、国内外の自動車市場を深耕する。このほどメキシコに塩化ビニルパウダースラッシュコンパウンド(PSC)の新工場を稼働し、日本・中国と合わせ3極での生産体制を構築した。需要の増加が見込める欧州で工場新設も検討する。主流のポリウレタンに比べ、低コストで意匠性や成形加工性に優れる点を訴求。需要地で部材を供給する“地産地消”を進め、2025年度の事業規模を現状比2倍の約70億円に引き上げる。

 100%子会社のゼオン化成(東京都千代田区)が6日(現地時間)、塩ビPSCの新工場を稼働した。生産能力は年1200トンで、投資額は15億円。20年度をめどに同1200トンの第2期設備も導入する。マツダやSUBARU(スバル)向けをはじめ、現地の自動車大手・部材各社にも提案する。

 同社の塩ビPSCは展開口が見えないシームレス(継ぎ目なし)エアバッグの表皮材としてマツダ「アクセラ」などに採用される。直接、縫製できる意匠性も評価され、日本や欧米、中国、インドなどの高級車向けに引き合いが急増。需要動向を見極め、茨城工場(茨城県坂東市)の増強や欧州で工場新設も視野に入れる。

 日本の塩ビ樹脂製インパネ表皮材は、有害物質と指摘された90年代にポリウレタンなど代替材に切り替えが進んだ。

 ただ、ダイオキシンとの因果関係が否定された後は、採用車種が徐々に増加。シームレスエアバッグではポリウレタンに比べ軽さやコストの安さ、原料の石油依存度の低さに加え、低温特性の改良により作動時の耐久性を高めたことが採用回復に弾みをつけた。

 塩ビ樹脂製インパネ表皮材の世界市場は約4万トンとされ、約半分が欧州向け。ゼオン化成は11年に建材向け塩ビ樹脂事業を売却、インパネ用途に経営資源を集中した。国内では13年にカネカ子会社の龍田化学(東京都中央区)がインパネ向け塩ビPSC市場に参入している。

日刊工業新聞第ニ産業部・堀田創平

最終更新:6/16(金) 11:40
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