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加曽利貝塚、特別史跡に 千葉県内初「日本文化の象徴」 文化審議会答申

6/16(金) 17:33配信

千葉日報オンライン

 千葉市若葉区の縄文時代の遺跡「加曽利貝塚」について、国の文化審議会は16日、国宝に相当する特別史跡とするよう松野博一文部科学相に答申した。集落跡を伴う国内最大級のムラ貝塚で、考古学研究史における重要性や歴史的価値が特に高く、日本文化の象徴としても重要と評価した。特別史跡の新規指定は17年ぶりで、千葉県内では初。袖ケ浦市にある同時代の「山野(さんや)貝塚」も史跡にするよう答申された。いずれも秋頃に正式決定される見通し。

 加曽利貝塚は5千年前から3千年前(縄文時代中期~後期)に形成され、全体で約15万1千平方メートル。時期が異なる二つの大規模貝塚が連結して8字形をしているのが特徴。100軒以上の住居跡や200体を超える人骨など多種多様な遺物が出土し、2千年間にわたり営まれたムラの跡が良好な状態で残っている。

 明治時代から広く存在が知られ何度も発掘調査が行われ、出土した土器が時期区分を決める基準になるなど考古学研究の発展に貢献。昭和30年代には市民による保存運動が起こり、埋蔵文化財の保護と活用の先進事例であることも評価された。

 山野貝塚は、東京湾東岸の大型貝塚群の中で最南端に位置し、馬てい(馬のひづめ)形をとどめる重要な遺跡と評価された。

 全国では、阿蘇山一帯に広がる草原や農村など7カ所の景観を「阿蘇の文化的景観」(熊本県阿蘇市など)として重要文化的景観に選定することも答申した。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産を目指す前提として、地元自治体が選定を申請していた。

 このほか保存状態が良好な古墳時代の大規模集落跡「入の沢遺跡」(宮城県栗原市)など11件を史跡に、草津温泉の源泉地「湯畑」(群馬県草津町)など6件を名勝に、鳴き砂で知られる「琴ケ浜」(島根県大田市)を天然記念物に指定するよう答申。

 いずれも近く答申通り告示され、史跡・名勝・天然記念物は計3228件(うち特別史跡62件)、重要文化的景観は58件、登録記念物は104件になる。

◆千葉市と協力し魅力を発信 森田知事

 森田健作知事は「千葉市と協力しながら加曽利貝塚の魅力を広く発信していく。本県の特色の一つである日本一の貝塚群の素晴らしさを多くの方々に知ってほしい」との談話を出した。