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<母子死傷事故>夫「家庭崩壊」…もう運転しないのではなく夢運んで

6/16(金) 23:19配信

埼玉新聞

 埼玉県草加市で今年2月、母子2人がトラックにはねられ死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの罪に問われた、東京都葛飾区の解体工八下田誠男被告(29)の論告求刑公判が16日、さいたま地裁(栗原正史裁判長)で開かれた。検察側は「基本的な注意義務を怠り、過失は重い」として禁錮5年を求刑した。弁護側は「偶発的な事故で犯行に計画性はない」として執行猶予付き判決を求めて結審した。判決は7月3日。

 事故で亡くなった荒井美季さんの夫健次さん(44)と高校生の長男は、被害者参加制度を利用して公判に参加した。健次さんは意見陳述で、「ほとんど前を見ない危険な運転の結果、私たちの家庭は崩壊した。母親を失った長男、次男に説明できる判決を望む」と厳罰を求めた。

 長男も「多くの人がカーナビを使っているのに事故を起こしていない。被告は漫然と運転して事故を起こした」と批判し、「被告が刑務所に入っても母は帰ってこないが、絶対に執行猶予は付けないでほしい」と訴えた。

 健次さんと長男は、八下田被告に厳しい視線を向けながら、突然の事故によって大切な家族を奪われた怒りや悲しみ、それを背負って生きていくつらさを切々と語った。

 意見陳述に先立って行われた被告人質問で、「もう車は運転しない」と述べた八下田被告。最後に健次さんは「せっかく取得した免許。『もう運転しない』と言わず、しっかりと罪を償い、人の夢や希望を運んでもらいたい」と言葉を掛けた。

 起訴状などによると、八下田被告は2月8日午後0時25分ごろ、草加市中央1丁目で、最大積載量3850キロを4870キロ超える廃材を積んでトラックを運転。時速約46キロで赤信号の市道交差点に進入し、別のトラックと衝突して歩道に乗り上げて草加市の荒井美季さん(38)=当時=をはねて死亡させ、一緒に歩いていた次男(2)の頭にけがを負わせたなどとされる。

最終更新:6/16(金) 23:36
埼玉新聞