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[社説]旅客船事故のキム潜水士を忘れまい

6/16(金) 19:52配信

ハンギョレ新聞

 暗く冷たい海の下に1073日間沈んでいたセウォル号が水面に浮び上がって3カ月になろうとしている。家族と国民の切実な願いが天に届いたのだろうか。5月17日コ・チャンソク教師から始まり、ホ・ダユンさん、チョ・ユンファさん、イ・ヨンスクさんの遺骨の身元が確認された。セウォル号の現場収拾本部は今月末までに3~5階の客室の捜索を終え、来月からは1、2階の貨物室の捜索に入る予定だ。パク・ヨンイン君、ナム・ヒョンチョル君、ヤン・スンジン教師、クォン・ジェグンさんとヒョッキュさん親子ら残っている5人を一日でもはやく見つけるように最善を尽くすことを望む。

 故キム・クァノン潜水士は普段インタビューで、未収拾者9人の話をして涙を流していた。20年余り民間潜水士として順調だった彼の人生は、2014年4月にがむしゃらに駆け付けたセウォル号の現場で変わった。船体に入って犠牲者の死体292体を捜し出して連れてきたのは、完全に民間潜水士の果たした役割だった。しかし生死の境で一日4、5回も水中に入っていた彼らに海上警察は一方的に現場撤収を通知し、亡くなった潜水士に関連して法的責任まで問うた。「日当100万ウォン、遺体一体500万ウォンのインセンティブをもらっている」という大統領府の報道官の発言以降、潜水士は金儲けにきたように言う者も増えた。

 キム・クァノンさんは骨壊死などの後遺症とトラウマに苦しめられて代行運転の運転手で生計を維持しながらも、国会と特調委の聴聞会に証人として出てセウォル号の集会にも出続けた。「私たちはあのときの思いであふれています。忘れることができず骨身にしみているのに、社会の指導層である官僚らはどうして分からずに思い出せないのか…」。2015年12月16日セウォル号の特調委の第1次聴聞会で知らぬ振りで通した公務員たちに向かって彼は絶叫した。

 17日は妻と3人の子供を残したまま突然に亡くなったキム・クァノン潜水士の1周期になる。彼はろうそくデモも大統領の弾劾も見られなかったが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の指示で檀園高校の契約職教師が殉職を認められるなど義士たちに冷たかった世の中は変わった。しかし彼がセウォル号の遺族らと共に準備した「セウォル号被害支援法」の改正案はいまだ国会内にある。民間潜水士も犠牲になった消防公務員、地元の漁民らも被害の支援を受けうる根拠になるこの改正案の通過を国会は急がなければならないだろう。

 土曜日夕、ソウル光化門の4・16広場では彼を追慕する文化祭が開かれる。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:6/16(金) 19:52
ハンギョレ新聞