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ネットでトンボの生息地保護 写真撮影で立ち入り後絶たず

6/16(金) 17:01配信

紀伊民報

 和歌山県の古座川町教育委員会と町文化財保護委員会は15日、町天然記念物の「ハッチョウトンボ」が見られる同町直見の大谷湿田に、人が立ち入らないようネットを張った。湿田にはハッチョウトンボなどを観察しやすいよう木道が設けられ、多くの人が写真撮影などに訪れるが、今年は湿田へ入るケースが目立つためで、両委員会はマナーを守るよう呼び掛けている。

 ハッチョウトンボは県レッドデータブックで準絶滅危惧種に分類されている。日本最小のトンボで成虫でも大きさは2センチほど。5月から羽化が始まり、成虫は9月初旬まで見られる。

 大谷湿田は、1992年に大量のハッチョウトンボが発見されたことをきっかけに、町が自然保護区として買い取った。町文化財保護委員や地域住民が草引きなどをして、トンボの成育しやすい環境を保全している。湿田は1525平方メートル。現在の木道は2014年に取り換えられたもので、長さ約10メートル。

 町文化財保護委員の山本隆寿さんによると、ここ1週間で、湿田には足跡や踏まれて倒れた草が見られるようになった。トンボの止まっている葉をちぎって、撮影しやすい場所に置いている姿を目撃したこともあるという。

 この日は町教委の和田充旦教育長と坂本耕一教育課長、町文化財保護委員会の辻新委員長、礒田准一郎さんと山本さんの5人で作業をした。木道を囲むように高さ160センチほどのくいを立て、ネットを固定し、木道から湿田へ踏み込めないようにした。

 今後は、木道や湿田の外側からの観察と保全との折り合いで、木道のネットをいつまで設置しておくか考える。さらに被害がひどくなれば、木道の撤去も考えるという。

最終更新:6/16(金) 17:01
紀伊民報