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ロンドン大火災に市民の怒り、緊縮のツケは弱者に-格差浮き彫り

6/16(金) 16:06配信

Bloomberg

ロンドンで14日に発生した大火災で焼け落ちた高層集合住宅の残骸は、市民が嘆く失政の象徴のようだ。

高層棟で未明に発生した火災では少なくとも30人が死亡、24人が病院に収容されており、行方不明者もまだ多数いるとみられる。住民の怒りは過去7年にわたり市民の生活を支えるサービスの予算を削減し続けてきた政府に向かう。

「緊縮はあの炎の中で燃え尽きた」と、生粋のロンドンっ子のセーラさんは話した。地下鉄で付近を通りかかったが、何か手伝おうと思い途中下車した。一緒にいたもう1人の女性シオバンさんは「これはビルじゃなくて墓場よ」と残骸を見て言った。2人は名字を名乗らなかった。

英国は既に分裂した国だ。住民の一部は格差拡大を怒り既成勢力に一矢報いようとしている。国民投票での欧州連合(EU)離脱選択はエリートたちに突きつける「ノー」だった。空気を読み損ねたメイ首相は選挙で痛い目に遭った。

緊縮反対の野党が議席を伸ばした8日の総選挙の数日後のこの大惨事は、あまりのタイミングに空恐ろしくなるほどだ。

世界で最も裕福な人々が住む地区にあるこの公営住宅は昨年、改装された。しかし改装は街の景観を損なわないことだけが目的で「住民のためではなかった」と向かいの棟に住むソラン・カリミさん(31)は言う。住民は安全性についての懸念を訴えていた。

メイ首相は火災についての調査を命じた。1974年に建てられた戸数120の24階建て高層ビルにはほぼ500人が住んでいた。ロンドン消防当局は15日、行方不明者の数は分からないと説明。ロンドン警視庁の幹部スチュアート・カンディ氏は「亡くなった人の数が3桁にならないことを祈っている」と述べた。

原題:As London Tower Smolders, Outrage Spreads Over Divided Society(抜粋)As London Tower Smolders, Outrage Spreads in Divided Society (3)

第2段落の死者数を更新します.

Charlotte Ryan

最終更新:6/16(金) 21:03
Bloomberg