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ANA塗装のMRJ、パリ航空ショー初出展 ル・ブルジェ空港で準備進む

6/17(土) 19:12配信

Aviation Wire

 パリのル・ブルジェ空港では、現地時間6月19日から開かれる世界最大規模の航空ショー「第52回パリ航空ショー」の開催準備が進んでいる。実機の出展は初となる三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「MRJ」も、17日午前は好天に恵まれた会場で、空調設備などの準備が進められていた。

【パリ航空ショー会場で展示準備が進むMRJ】

 三菱航空機は親会社の三菱重工業(7011)とともに、MRJの飛行試験3号機(登録番号JA23MJ)を地上展示。MRJの航空ショー出展は初めてで、欧州初お披露目となる。今回は地上展示のみで、飛行展示は行わない。

◆米国でANA塗装に

 MRJは、メーカー標準座席数が88席の「MRJ90」と、76席の「MRJ70」の2機種で構成。エンジンはいずれも低燃費や低騒音を特長とする、米プラット・アンド・ホイットニー製のギヤード・ターボファン・エンジン(GTFエンジン)「PurePower PW1200G」を採用する。6月1日には、PW1200GがFAA(米国連邦航空局)の型式証明を取得した。

 今回展示する3号機の塗装は、ローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)のカラーリングに、米国で塗り直された。現地時間13日午前8時38分(日本時間14日午前0時38分)に、飛行試験拠点である米ワシントン州グラントカウンティ国際空港内のモーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)を出発。カナダのウィニペグ・ジェームス・アームストロング・リチャードソン国際空港とグースベイ空港、アイスランドのケプラヴィーク国際空港を経て、15日午後5時5分(日本時間16日午前0時5分)に、ル・ブルジェ空港へ到着した。

 MRJは2008年3月27日、ANAがローンチカスタマーとして25機(確定15機、オプション10機)を三菱重工に発注し、事業化が決定。開発に手間取り、当初2013年だった納期は5度目の延期により、2020年半ばを計画している。開発遅延に伴い、2016年11月からは三菱重工の宮永俊一社長直轄の開発体制に移行した。

 MRJはANAのほか、32機を確定発注した日本航空(JAL/JL、9201)など、7社から計427機を受注。内訳は、確定受注が約半数の233機で、残りはキャンセル可能なオプション契約が170機、購入権契約が24機となっている。

 MRJの飛行試験機は現在5機。すでにANA塗装が施され、国内での飛行試験に投入する予定だった5号機(JA25MJ)は、当面飛行しない見通し。設計変更が進んでいることから、現在は県営名古屋空港に隣接する最終組立工場で、機器配置の見直しなどに使われている。

◆宮永社長もトップセールス

 航空ショー開幕前日の18日には、三菱重工の宮永社長や三菱航空機の水谷久和社長、ANAホールディングス(9202)の篠辺修副会長が出席し、機体をお披露目する予定。三菱航空機はANA塗装機を出展することについて、ローンチカスタマーに敬意を表するためだとしている。

 今回で52回目となるパリ航空ショーは、1909年にスタート。防衛や航空、宇宙分野を中心とする約2300社が出展し、出展総面積は32万4000平方メートル、企業が重要顧客などをもてなすシャレー(山小屋の意)は330棟、出展航空機は150機にのぼり、会期中の来場者数は業界関係者が15万人、一般は20万人を見込んでいる。

 開催は奇数年で、偶数年はロンドン近郊でファンボロー航空ショーが開かれ、1年のうち大きな商談は両航空ショーで発表されることが多い。しかし規模で比べると、パリの出展者数はファンボローの1.5倍、来場者数も2倍と、パリが大きく上回っている。

 フランスの大統領や首相をはじめとする、各国政府などの公式視察団は300団体を予定。日本からはMRJのほか、海上自衛隊の哨戒機「P-1」の出展が予定されており、P-1は飛行展示を計画している。

◆E195-E2は飛行展示も

 一方、 MRJ最大のライバルである、ブラジルのエンブラエルが開発中の「E2」シリーズは、最初の機体となるE190-E2が、2016年2月25日にロールアウト。予定を前倒しして、3カ月後の同年5月23日に初飛行に成功し、同年7月11日からロンドン近郊で開かれたファンボロー航空ショーに飛行試験初号機(登録番号PR-ZEY)を持ち込んで地上展示した。

 E2シリーズは、現行のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195の4機種で構成する「Eジェット」の後継機。E175-E2とE190-E2、E195-E2の3機種で構成する。

 2018年の納入開始を目指すE190-E2のメーカー標準座席数は1クラス106席、2クラス97席、2019年前半から納入予定のE195-E2は1クラス146席、2クラス120席、2020年納入開始予定のE175-E2は1クラス88席、2クラス80席としている。

 MRJと座席数で比較すると、MRJ90にとってE190-E2が、MRJ70はE175-E2が競合となる。

 今回のパリ航空ショーでは、E2シリーズで最大の機体サイズとなるE195-E2の初号機(登録番号PR-ZIJ)を出展。地上展示するほか、パリ航空ショーのウェブサイトによると飛行展示も予定している。

 三菱航空機は例年、客室を模したモックアップを会場に展示し、売り込みを図ってきたが、実機の展示はE2シリーズが先行した。今回実機を初めて展示することで、各国の関係者にアピールしていく。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:6/17(土) 19:18
Aviation Wire