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東西統一の父、欧州統合の機関車… コール元独首相死去

6/17(土) 7:19配信

朝日新聞デジタル

 「東西統一の父」「欧州統合の機関車」――。そんな愛称で呼ばれたヘルムート・コール元独首相は、冷戦終結という歴史の一大変革期に、16年間という異例の長期政権を維持した。新生ドイツの「顔」役として、欧州統合を引っ張り続けた功績が評価される一方、最後には国民に飽きられ、スキャンダルにまみれて政界を去った。

 ドイツ南西部の地方官吏の家に育ち、カトリックの家庭で愛国心と寛大な心を学んだ。第2次世界大戦で兄を失った体験が「欧州から戦禍をなくす」という政治信条を育んだとされる。

 1989年のベルリンの壁崩壊後の演説では、東独が国境を開放した11月9日を「ドイツ史にとって偉大な日」と呼び、「今日我々はベルリンと全ドイツにとっての歴史的な出発に立ち会っている」と強調した。

 その後、わずか1年足らずで国民の悲願だった東西統一を成し遂げ、「統一宰相」の名声を得た。

 「ライフワーク」とする欧州統合のけん引車となり、欧州連合(EU)の経済・通貨統合に貢献。「独統一と欧州統合はコインの表裏」と語った。「欧州の中のドイツ」という位置づけを内外に浸透させたことも、評価されている。その実績から一時、ノーベル平和賞の呼び声も高かった。

朝日新聞社