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西原町 債権3000万放棄へ 西原ファーム、農地再生事業が不振

6/17(土) 11:10配信

琉球新報

 【西原】西原町内で耕作放棄地の集積と活用を手掛けている農業生産法人「西原ファーム」(新川潤社長)が経営不振のため、町耕作放棄地解消対策協議会(会長・小橋川明副町長)から借り入れた3千万円の債権放棄を協議会に求めていることが、16日までに分かった。3千万円は町が西原ファーム支援のために協議会に補助金として交付し、協議会を通して貸与されていた。

 町と協議会は実績を考慮し、債権放棄に応じる意向だ。町議会は責任の所在を明確にした上での町民への説明を求めているが、小橋川会長は「今のところ、説明会の開催は計画していない」と述べた。

 協議会は22日に臨時総会を開催する。債権放棄が認められる見通しだ。債権放棄が認められれば、JAからの支援を受け、経営再建を目指す。

 西原ファームは、高齢化や担い手不足を背景とした耕作放棄地の解消を目的に、協議会が2011年に設立した。地主と交渉して遊休農地を集め、新規農業者に使用させる農地再生事業を展開している。シマナーサーターアンダギーなど町の特産物開発にも取り組んでいる。

 当初の計画では10万坪の耕作放棄地の再生と200人の新規就農者の育成を目指していたが、再生農地は約2万8千坪、新規就農者は延べ29人にとどまっている。協議会から借り入れた3千万円は、2019年3月から年300万円を10年間で返済する計画だったが、設立以来赤字が続いており、16年度には4千万円に累積赤字が膨らんでいる。

 赤字の理由について新川社長は「新規就農者の支援や、耕作放棄地の再生、耕作放棄地緊急対策事業の負担が大きかった」と説明する。今後について「収益を上げる農作物の栽培などに取り組みたい」と語った。

 町議会は16日、西原ファームの支援要請を決議したが、債権放棄を疑問視する議員は少なくない。與那嶺義雄議員は町議会で「町民の納税意識にも関わる。町行政の失敗を誰も責任を取らないで通るのか。しっかりと謝罪して、どう責任を取るのか説明すべきだ」と主張し、債権の保持を求めた。

 一方で小橋川会長は「西原ファームは町の農業振興に資する目的がある。一刻も早く債権放棄しなければ倒産してしまう。西原ファームの存続の方向で何とかしたい」と語った。

琉球新報社

最終更新:6/17(土) 11:10
琉球新報