ここから本文です

もうメジャー8球団め ハム大谷“詣で”二軍調整中も続く理由

6/17(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「だいぶ良くはなっているようですけど、まだ左足の内出血が引かないと聞きました。なので無理をさせるわけにいかないというのがフロントや首脳陣の判断らしい」

 こう言うのはある日本ハムOB。右足首痛と左太もも肉離れで戦線離脱中の大谷翔平(22)に関してだ。

 現在、千葉・鎌ケ谷の二軍施設で調整している大谷は13日、故障後初めて捕手を座らせて投球練習。

 翌14日にはフリー打撃を行うなど、ようやく二刀流に近づいたとはいえ、「復帰は早くて7月中旬、後半戦から野手として戻ってくる可能性が高い」(前出のOB)というのだ。

 まだ、スパイクを履いての全力疾走すら許可されていない、そんな大谷を早くもメジャー球団が追い掛け回している。今オフ、海を渡るかどうか定かじゃないにもかかわらずだ。

 去る6日にはブルージェイズのダン・エバンス環太平洋スカウト部長が鎌ケ谷の施設を訪問。メジャーの視察はこれが8球団目になる。

 現行の入札制度(ポスティングシステム)は移籍金付きFAのようなもの。移籍金の上限の20億円という金額に関して見直しがあるにせよ、日本ハムに移籍金を払う意思のある球団の自由競争になる現システムが大きく変わることはおそらくない。

 昨秋合意したメジャーの新労使協定で、25歳未満の海外選手の契約金は最大約6億3250万円に制限される。マイナー契約のスタートになるから、原則、大型契約は結べないことになった。それでも、例えば2年目以降の年俸をドカンと弾むなど抜け道がないわけではない。

■「お金じゃない」は本音

 フツーに考えれば最終的にモノをいうのはカネだ。メジャーでカネは選手の価値を測る重要な物差しでもある。13年オフ、楽天から入札制度でヤンキースに移籍した田中将大も、最終的な決め手はカネだったという。

 まして大谷は「田中以上」の評価。それこそドジャースやヤンキースなどの金満球団以外はベタ降りかと思ったら、さにあらず。アスレチックスやパドレスを含め、必ずしも資金が潤沢でない球団のスカウトたちまでせっせと鎌ケ谷に足を運んでいる。米西海岸のさる代理人関係者がこう言った。

「大谷の希望、移籍に際しての選択基準が、メジャーサイドに伝わっているからではないでしょうか。本人は日本人エースのいない球団、やり甲斐のある球団を希望しているともっぱらです。つまりカネが最優先ではないということ。新労使協定で契約金が制限されると聞いたとき、『お金じゃない』と言ったのは本音なのです。それで資金力の乏しい球団も、自分たちにも脈があると踏んでいるのでしょう」

 この代理人関係者の言う「日本人エース」とはダルビッシュや田中を指すのだろう。「彼らのいない球団」だとすれば、大谷の視線は現時点でレンジャーズとヤンキース以外に向いていることになる。

 大谷は岩手の花巻東高時代、日本のプロ野球でなく直接、メジャーに挑戦しようとした。根底には「人と同じことをしちゃいけない、人と同じことをしても同じようにしかならない」との父親の思想がおそらくある。だとすればダルや田中の後を追うより、あくまで自分自身で新たな道を切り開きたいのではないか。そう考えれば高校卒業時に「二刀流」という前代未聞のスタイルを提示した日本ハムを選んだのも納得できる。

 もうひとつの「やり甲斐のある球団」とは非常に抽象的というか、あまりに漠然としていて、どうとでも受け取れるフレーズではある。常勝球団の一員として勝利に貢献するのも、若手中心のこれからというチームで勝利を目指すのも「やり甲斐」だろうが、開拓者を目指すフロンティア精神が旺盛だとすれば、常勝球団よりこれからブレークする可能性のある球団を選択する確率が高いのではないか。

 いずれにせよメジャー球団は、カネが決め手にならないと受け止めているからこそ、大挙して大谷に群がっているに違いない。

スポーツナビ 野球情報

MLB 日本人選手出場試合6/26(月) 11:30