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性被害防止、男子も教育=「傍観者にならない」―京都府警が資料作成

6/17(土) 15:14配信

時事通信

 性犯罪の被害を防ぐため、女性だけでなく男性も対象にした教育用資料を京都府警が作成した。

性犯罪を厳罰化=告訴なくても起訴-改正刑法が成立

 男性も被害に遭う可能性があることや、「見て見ぬふり」をしないことの重要性を説く内容。今月初めには男子高校生を対象に防犯教室を開き、初めて資料を活用した。

 性犯罪の厳罰化や男性も被害の対象とすることなどを盛り込んだ改正刑法が16日に成立したが、府警は2015年に有識者でつくる研究部会がまとめた提言を受け、資料作りを進めてきた。

 資料は男女兼用で中高生から社会人が対象。府警犯罪抑止対策室の井原慎治室長補佐は「今までは女性の防犯教育に偏っており、男性が傍観者になることを防ぐ教育が置き去りになっていた」と話す。加害者の責任と被害者のダメージ、「防犯意識が足りない」といった被害者への誤解や偏見なども取り上げた。

 「実際に被害に遭ったら、親や警察に相談できますか」。今月2日、舞鶴市の府立東舞鶴高校。2年生の男子生徒83人を前に、井原室長補佐は資料を使って被害者の心理を説明した。

 06年に特急電車内で女性が性犯罪に巻き込まれた事件に触れ、居合わせた約40人の乗客が誰も通報しなかったことを指摘。周囲に人が多いほど、責任が分散されたように感じる「傍観者効果」について教えた。

 また「お酒を飲まされた女子生徒がいたらどうするか」と生徒に質問。対処法を考えさせ、「無理に危険なことはせず、通報などできることをしてほしい」と呼び掛けた。

 参加した西野瑛稀さん(16)は「いざとなるとパニックになったり、戸惑ったりすると思う。臨機応変に対応できるように考えたい」と話した。

 提言の策定に関わった成田秀樹京都産業大教授(刑事訴訟法)は、傍観者にならないためには「何もしなかったら、犯罪を助けることにつながるかもしれないと気づくことが出発点」と指摘。「言葉の掛け方や対処法をワークショップ形式で体験できるように、大学などが協力して普及できれば」と話している。 

最終更新:6/17(土) 16:57
時事通信