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<放影研謝罪へ>「研究、信頼が必要」 理事長インタビュー

6/17(土) 13:45配信

毎日新聞

 日米共同研究機関「放射線影響研究所」(放影研、広島・長崎両市)の丹羽太貫(おおつら)理事長(73)が、前身の米原爆傷害調査委員会(ABCC)が治療を原則行わず研究対象として被爆者を扱ったことについて被爆者に謝罪する。丹羽理事長との主なやり取りは次の通り。

 --何を謝るのか。

 「調査すれども治療せず」と言われる世間の非難についてだ。本当は治療もしていたが、オフィシャルにはしていなかった。検査だけで帰らせたので、来られた大半の方にとっては当然足りないことだったし、ネガティブなイメージを与えた。

 --被爆者を裸にしたという話もある。

 そういう例はいろいろと(書物に)書いているから、本当だと思う。でも自分も1970年代、米国留学中に健康診断で素っ裸にさせられたことがある。その経験に照らすと、これは文化摩擦だったんじゃないかと思う。

 --被爆者には心の傷になったのでは。

 そう思う。文化摩擦があろうがなかろうが、受け取る側はそう思った。ごめんなさいと言わなければいけない。

 --謝罪は放影研としてか個人としてか。

 放影研としてだ。21世紀に入り、人相手の研究は対象となる方との(信頼)関係の上でしなければいけないというのが鉄則になった。20世紀にはなかった概念だが、我々は受け入れなければいけない。つまり被爆者との関係を良くしなければいけない。町の人に誇りに思われるような研究所でないと、やっていけない。【聞き手・竹下理子】

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 ◇丹羽太貫(おおつら)理事長

 1943年生まれで京都大理学部(動物学)卒、スタンフォード大大学院(生物物理学)修了。1984年から97年まで広島大原爆放射能医学研究所(現・原爆放射線医科学研究所)で助教授を務め、後に教授に。さらに京都大放射線生物研究センター教授(97~2007年)、福島県立医科大特命教授(12~15年)などを経て15年に放影研理事長に就任。

最終更新:6/17(土) 13:46
毎日新聞