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インフラ銀、韓国で総会 関係悪化の中、文大統領は対中国配慮にじます

6/17(土) 7:55配信

産経新聞

 【ソウル=名村隆寛】韓国・済州島で16日に開かれたアジアインフラ投資銀行(AIIB)総会は韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領にとって就任後、初めて出席した国際会議であり、国際舞台でのデビューの場となった。

 中国主導で設立されたAIIBの中国以外での開催は韓国が初。しかし、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に中国が反発し、韓国に経済制裁を加えるなど中韓関係は依然として悪い。

 こうした中、自国で開かれたAIIB総会の演説で文氏は「意義深い行事の韓国開催を喜ばしく思う」と述べたほか、「AIIBの発足を主導した中国政府と、安定した発足に寄与した金立群総裁の不断の努力に感謝する」と中国に謝意を示した。

 米国は「国際基準を満たさない」ことなどを理由にAIIB創設には加わらなかった。文氏はその米国を今月末に訪問し、トランプ米大統領との首脳会談に臨む。訪米を控え、米国に“中国寄り”との誤解を与えない範囲で、中国にも配慮を見せたようだ。

 一方、文氏は演説で、雇用問題や南北関係など韓国が直面する問題にも言及した。文氏は韓国政府が「よい雇用の創設を最優先課題に進めている」「インフラ投資が雇用を創出する」と、繰り返し「雇用」という言葉を口にし、インフラ投資を求めるAIIBと韓国政府の経済政策が相通じることを強調した。

 また、「(朝鮮半島の)南と北が鉄道で連結されたとき、新たな陸上・海上シルクロードが完全に完成する」と指摘。「朝鮮半島の平和がアジアの安定と統合に寄与するよう望む」とも語り、核やミサイルの開発を続ける北朝鮮との関係改善の必要性を示唆した。

 文氏は5月10日の就任以来、行事などでほぼ毎週、演説を行っている。政権発足から1カ月余りで、政策の結果もまだ出ておらず、世論は静観している状況にある。この日の国際舞台での初演説でも、内外に向けて文在寅政権の新たな韓国をPRし、ホスト国として無難に国際デビューを果たしたかたちだ。

最終更新:6/17(土) 7:55
産経新聞