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阪神・岩貞44日ぶり白星 結婚後に始めた“儀式”この夜も

6/17(土) 8:20配信

スポニチアネックス

 ◇交流戦 阪神4―2楽天(2017年6月16日 甲子園)

 阪神・岩貞祐太投手(25)が16日の楽天戦で7回1安打1失点の快投を披露。5月3日のヤクルト戦以来、44日ぶりとなる今季3勝目を挙げた。昨季は10勝をマークし今季も開幕ローテーション入りしたものの、不振で2軍落ちも経験。苦しんだ左腕が、完全復活を印象付けた。楽天を4―2で下したチームは交流戦勝ち越しを決め、貯金も今季最多タイの12。首位・広島とのゲーム差を2に縮めた。

 「大黒柱」として、ようやく役目を果たせた。44日ぶりに手にした白星に、岩貞の表情は少しだけ緩んだ。

 「(岡崎)太一さんが研究してくれて、それ通りの配球で、僕は何も考えることなく腕を振るだけだった」

 ムチのように左腕をしならせ、直球、変化球を低めに集めた。3回に浴びた三好のソロ本塁打のみで、その他の6イニングはすべて3者凡退。球威十分の直球を相手の懐に投げ込み、チェンジアップを駆使して緩急も効かせた。今季3安打が最少だったパ・リーグ首位の強力打線を、7回1安打に封じ込める快投で勝利の立役者となった。

 プレーボール数分前。この夜も背番号17は、自分に言い聞かせた。“儀式”は、15年オフに結婚してから始まった。どの球場でも決して変わらない。試合前のブルペンで、白球に強い思いを込め、肩を温めていく。

 「毎試合、“今日、抑えないと家族を養っていけない。絶対に勝たないといけない”と心の中で念じるようになったんです。自分にプレッシャーをかけるというか、いつも強い気持ちでマウンドに上がっていますね」

 大学時代から、苦楽をともにし、ずっと支えてくれた同い歳の妻、そして、昨秋から岩貞家に加わったトイプードルの「ハル」の存在も、決して忘れてはいけないという。

 「笑われるかもしれないですけど、ハルが家族になってから、余計に責任感が強くなってきた。ハルも、家族として食べさせていかないといけないんで、自分はマウンドで結果を残すしかないです」

 今季は、試合前まで白星はわずかに2つ。開幕から不振にあえいで、2軍降格も味わった。家族思いで、責任感の強い男が味わった苦悩の日々。ようやく最愛の人たちに、感謝のウイニングボールを贈ることができた。

 「春先がどん底だったので、僕は上がっていくだけ。夏場とかチームが苦しい時に良い準備ができるように」

 若き左腕エースが、ようやくギアを上げてきた。遅れた分を取り返すチャンスは、まだまだ残っている。 (遠藤 礼)