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金融政策決定会合 物価上昇2%めど立たず、出口戦略提示迫られるジレンマ

6/17(土) 7:55配信

産経新聞

 日銀は物価目標2%の達成のめどが立たない中、金融緩和策を手じまいする出口戦略を示すよう迫られている。国債を買い続ける緩和策が長期化すれば、日銀の財務が悪化し、通貨の信認低下につながりかねないとの見方が浮上してきたからだ。だが、こうした見方を払拭しようと具体的な出口戦略を語り始めれば、「2%目標を諦めた」などと誤解を招く恐れもあり、日銀はジレンマを抱えている。

 「現時点で具体的な出口策を示すのは難しいし、適当ではない。かえって混乱を招く恐れがある」

 日銀の黒田東彦総裁は16日の金融政策決定会合後の記者会見で、こう述べた。

 平成28年度の物価上昇率は4年ぶりのマイナス。今年4月は前年同月比で0・3%と伸び悩んでいる。「2%目標に向けての道はかなりある」(黒田総裁)という現状で、出口戦略を語れば「日銀が出口を意識し始めた」と受け取られて国債が売られ、国債価格が急落し、長期金利が急上昇する懸念がある。緩やかな拡大に転じつつある景気に冷や水を浴びせかねない。

 ただ、大規模金融緩和を導入してから4年以上が経過。日銀の国債の購入量も右肩上がりに増えるばかりだ。

 保有国債の売却損などで年最大約10兆円の赤字が発生するとの試算もあり、黒田総裁は国会に呼ばれ、「一体、いつまで国債を買うのか」などと緩和を続けるリスクについて問われる場面が増えている。

 全国銀行協会の平野信行会長(三菱UFJフィナンシャル・グループ社長)も15日の記者会見で、出口戦略に関し「市場との対話に基づいて(縮小に関する)メッセージを出し、政策の予見性を高めることが必要だ」と注文をつけた。

 こうした中、黒田総裁は不安払拭に努めている。

 16日の会見でも、「日銀が赤字になる可能性はある」とした上で、「中央銀行は継続的に通貨発行益が発生する立場。日銀の財務状況が政策を制約したり、通貨の信認を毀損(きそん)したりすることにはならない」と断言した。今後も、不安を解消する丁寧な説明が求められている。(飯田耕司)

最終更新:6/17(土) 7:55
産経新聞