ここから本文です

桜木みなと、2度目のバウセンターは自然体で新境地

6/17(土) 17:46配信

スポーツ報知

 宝塚歌劇宙組スター・桜木みなとが「パーシャルタイムトラベル 時空の果てに」(作&演出・正塚晴彦)で、宝塚バウホール2度目の主演を務めている(20日まで)。中世と現代をタイムスリップで行き来する元不良青年が、運命の女性を捜し出すストーリー。「やろうとするな」と自然な芝居を要求された桜木は「のびのびした姿勢につながって、違う魅力が生まれれば」と新境地開拓に挑んでいる。(筒井 政也)

 「相続人の肖像」(2015年10月)以来2度目のバウセンターは、前作の大劇場公演「王妃の館」に続くコメディー。“チョイ悪”な役どころは桜木には新味で「ジャンルも役も新鮮。すっごい楽しい!」と言葉が弾む。

 主人公ジャンは、中世の時代で自分が必要とされたことで、今のあり方を見つめ直す。「過去の自分は変えることができない。みなさんも共感できる題材」という桜木は、駆け出し時代を振り返り「研2~4年の頃は、ただガムシャラで、わんぱく!という感じで(笑い)。間近にいた上級生を、もっと見ておけばよかった。幼過ぎて、技術を盗もうなんて思わなかったんですね。反省しています」

 だが今や、宙組の若手から背中を見つめられるスターに。「ここ数年、いいタイミングで多岐にわたって課題を与えていただき、本当にありがたい」とチャンスの連続に感謝した。

 特に本作は“以前の自分”とじっくり向き合う絶好の機会になった。「今までは真ん中に立つ責任感で『頑張らなきゃ』と意気込んでいたんすけど、今回は受け身の芝居が多いので、周りを信頼する『ゆとり』が必要。焦っていたらできない。大きな心でいたい。最近、それを発見しました」

 4年と10か月、宙組トップ娘役を務め上げ、4月に退団した同期・実咲凜音(みさき・りおん)のしなやかさに学んだことも大きい。「メンタルの強さ、スタミナ…。ディナーショーなどで濃い時間を一緒に過ごす中で、彼女の生きざまを見て、もっとのびのび、自由に楽しんでいいんだと気づかせてもらった。真面目過ぎたんですね、きっと」。気負いから解き放たれた瞬間だ。

 実咲以外にも、月組トップ娘役・愛希れいか、星組2番手・礼真琴ら95期生の仲間が主軸として躍進している。「追いつかなきゃ、追い越さなきゃと、あせっていたんだと思うんです。こんなに若い学年(9年目)なのに…勝手にプレッシャーをかけてしまった。自分は自分でいいんだ、と思えるようになりました」。トップスター・朝夏まなとが11月に退団。宙組生として寄せられる期待度は高くなるが、ナチュラルな桜の木は、より鮮やかな花を咲かせそうだ。

 ◆桜木 みなと(さくらぎ・みなと)12月27日生まれ。神奈川県横浜市出身。2009年4月「Amour それは…」で初舞台。95期生。宙組配属。14年「白夜の誓い―グスタフ3世、誇り高き王の戦い―」など新人公演2度主演。15年「相続人の肖像」でバウ初主演。16年「エリザベート」では出世役ルドルフを役替わりで演じた。身長170センチ。愛称「ずん」。

 ◆あらすじ ギャング団から脱退し、シンガー・ソングライターを目指すジャンは、うまくいかずにくすぶる毎日だが、ひょんなきっかけで中世のイル=ド=フランスにタイムスリップしてしまった。スマホの写真アプリに驚かれ、中世では一躍“神”としてあがめられるが…。桜木以外は出演者全員、過去と現代で一人二役なのも見どころ。

最終更新:6/17(土) 17:46
スポーツ報知