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平昌五輪の準備期間と大会中の営業損失「何とかして!」 リゾート施設側と組織委がカネ巡る内輪もめ発覚

6/17(土) 12:00配信

産経新聞

 2018年2月に開幕する平昌五輪でスキー・ジャンプやボブスレーなどの会場となるアルペンシアリゾートに関して、休業などで予測される損失額130億ウォン(約13億円)をめぐって五輪主催の地元自治体・江原道と五輪組織委員会が対立している、と韓国メディアが6月12日に報じた。組織委員会は公共施設との認識で五輪期間中、無償使用が原則だと通知した。これに対し、施設を管理する江原開発公社は施設運営で多額の債務を抱え、経営の正常化が喫緊の課題になっているだけに、組織委の要求は受け入れ難いとして徹底抗戦の構えだ。

 アルペンシアリゾートはゴルフ場やスキー場のほか、宿泊ができるリゾート施設を併設し、映画やテレビ番組の撮影でも使われているという。聯合ニュースなど韓国メディアによると、アルペンシアリゾートの莫大な負債と営業赤字に苦しんできた江原開発公社は、組織委の無償使用の要求を受け入れられず、3月に研究機関へ正確な被害額算定を依頼した。その結果によると、五輪の準備期間や大会期間(2月9日~25日)でアルペンシアリゾートの営業停止日数はゴルフ場223日、スキー場273日、スキージャンプ台242日となり、これに伴う営業損失は合計で約58億ウォン(約5億8000万円)になる。さらにゴルフ場、スキー場などの利用客の減少が原因で発生する売上高の減少などを合わせれば、直接的な営業損失は80億ウォン(約8億円)超に上ると試算された。

 また、五輪期間中に組織委が無償貸与を要求したホテル、クラブハウスなどの施設利用料を約50億ウォンと算出。予想損失の合計額は130億ウォン(約13億円)を超えるものと推定された。これは昨年の同施設の総売上高472億ウォン(約47億2000万円)の28%に相当する費用だという。

 韓国の通信社ニューシスは、アルペンシアが14年時点で5年連続で赤字を計上し、負債額は約1兆2340億ウォン(約1234億円)に上っていたと伝えた。15年1月時点で、江原道は負債比率が韓国で4番目に高い自治体で、五輪関連支出を賄うため15年に1200億ウォン(約120億円)、16年に1000億ウォン(約100億円)の地方債発行を計画していると報じられていた。

 脆弱な財政基盤の江原道にとっては、まさに死活問題だ。江原開発公社は直接の営業損失80億ウォン(約8億円)について組織委に損失補償を請求し、施設使用料50億ウォン(約5億円)に関してはリース契約を締結することで賄う計画という。

 五輪施設をめぐっては、フリースタイルスキーやスノーボードの会場である普光フェニックスパークが15年に組織委に対し、使用料と営業損失手当として250億~300億ウォン(約25億~30億円)を要求。この会場に拠出される事業費総額が205億ウォン(約20億5000万円)から、わずか1年の間で1040億ウォン(約104億円)に膨れ上がった経緯があり、五輪関連の事業費は膨張の一途をたどった。

 江原開発公社の社長は「直接営業損失と施設の使用のためのコストは平昌組織委員会で負担することが妥当である」とし、研究機関による結果を根拠に「組織委との交渉に乗り出す計画だ」と明かした。韓国が一丸となって五輪醸成を盛り上げる時期に発覚した内輪もめ。3年後の五輪を控える東京都も組織委などと何かともめているが、1年を切った時には平昌五輪のようなドタバタがないように、しっかりとした準備や話し合いを進めてもらいたいものだ。

最終更新:6/17(土) 12:00
産経新聞