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女だらけの異色作!戦隊ヒーロー映画「ガールズ・イン・トラブル」

6/19(月) 10:00配信

産経新聞

 東映が誇る特撮警察ヒーローシリーズ「宇宙刑事ギャバン」と「特捜戦隊デカレンジャー」が競演する劇場映画「スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー」と、その前日譚(ぜんじつたん)「ガールズ・イン・トラブル スペース・スクワッド エピソードゼロ」が17日から同時上映される。「ガールズ…」は出演者が女性だけの異色作。両作に出演し、「ガールズ…」では主役を務める女優、菊地美香(33)に話を聞いた。

 ■10年記念作品でやっと気づいたデカレンの“力”

 「実は(続編に)チャレンジすることには、意欲的ではなかったんですよ。テレビ放送の本編がとてもいい形で最終回を迎えたので、これ以上のものができるのか、すてきな思い出を大事にしたい、という気持ちがありまして」

 「デカレンジャー」(2004年2月~05年2月)でデカピンクこと胡堂小梅(通称ウメコ)を演じた菊地が、「当初は乗り気ではなかった」と話しているのは、「特捜戦隊デカレンジャー10YEARS AFTER」のことだ。テレビ放送10年後の15年にVシネマ用に撮影された作品だ。

 しかし、このとき舞台挨拶付きの上映イベントで全国7都市を回ると、菊地は「“デカレン”の持つパワーと、お客さんの熱意が見事にマッチしたと感じたんですよ」と、10年が過ぎてなお愛されている作品やキャラクターの力を見せつけられた。「なんてすごいことを成し遂げたんだろう」。7都市を回りながら菊地は、事あるごとに感動して泣いたという。

 ■まさかの新作もブログ通じてファンの手応え

 このVシネ作品の後、イベント現場などでは「続編を見たい」とファンから声が挙がるようになった。「また、やれたらいいですね」と答えながら、本音は「もうないよ、きっと」。「10YEARS…」の出来に満足していたし、自身としても「やりきった」との感があったからだ。

 まさか、わずか2年後にさらなる新作が劇場映画として決まるとは。

 「嘘~、まさか、という思いでした。やりきったと思っていた中で、割と早い時期に『またやります』と聞かされて、フリーズするほどの驚きでした」

 撮影は昨年6月中旬から7月上旬にかけて行われた。発売まで短期間で仕上げた「10YEARS…」と異なり、上映まで約1年が準備期間にあてられた。

 菊地は自身のオフィシャルブログで、デカレンジャーについて連日書きつづり、その反応などからファンらの盛り上がりを感じているという。

 「ギャバンとのコラボなど、世界観がどうなるかも分からないので、もしかしたらとっつきにくい面があるかもしれませんが、皆さんを盛り上げる時間は十分ありました」

 ■みんなが家族

 スタッフも含めて「デカレンジャー」の関係者はみんな家族。しみじみそう思ったのは、テレビシリーズの撮影が終わった直後だった。

 「1人じゃ何も成立しない。ひとりぼっちなんだ。みんながいないと、私はデカピンクにはなれない」

 そんなとき、テレビシリーズを担当した東映の塚田英明プロデューサーから手紙が届いた。

 「しっかり者の美香ちゃんがしっかりしていないキャラを演じてくれたのが、(「デカレンジャー」成功の)1つの鍵だったと思います」などとつづられていた。

 「私自身がしっかり、ちゃっかりしているから、役のウメコに近づけたのだと思います」。

 ■時が過ぎてますます

 「デカレンジャー」の主要キャストは6人。撮影現場での信頼感は、何年たっても変わらない。

 「どうすべきかは言わなくても分かるから、現場で打ち合わせしなくても、相手にちゃんと合わせられるし、合わせてくれるんです。前に出るべきところが来れば、ちゃんと前に出てくれる」

 あるいは、10年以上の絆により、いよいよ、“あうんの呼吸”になってきているのかもしれない。

 「(テレビ放送)当時は家族より長い時間一緒にいた仲間ですし。会うとすぐその時に戻れちゃう。集まるたびに家族なんだ、と思います。『久しぶり』という言葉はなく、ごく当たり前のように始まる」

 6人の中では「デカブレイク」=姶良鉄幹(あいら・てっかん)役を演じた吉田友一(34)が扇の要のような存在。

 「みんなを真ん中でちゃんとつないでくれる」

 ■体中にオイルを塗りたくって…

 「デカイエロー」=礼紋茉莉花(れいもん・まりか)(通称ジャスミン)役の木下あゆ美(34)とは今回、「ガールズ…」でダブル主役を張った。

 「あゆ美ちゃんとは『またとないすごいことだね』と話し合った」

 主役の大役にも、プレッシャーはなかった。

 「もちろん、役者として映画やDVDが売れるという形で結果を出さなきゃいけませんが、いい作品を作れるという意味ではノープレッシャーでした」

 大変だった場面は、「オイルを塗ってのアクション」。

 女性刑事ばかりが、とらわれている場面から始まる。アクションを撮らせて右に出る者がない坂本浩一監督ならではの場面だが、汗を表現するため、全身にオイルを塗った。

 「滑って立つのも大変。床で滑るので、アクションも大変。人間だけじゃなく、敵キャラにも塗っていたんですよ」

 苦笑しながら振り返る。

 しかも、ショートパンツ姿。これも坂本監督好みの衣装ともいえるが、普段のデカレンジャーの制服姿ではないのは新鮮だ。

 それでも塚田プロデューサーは、冒頭のシーンからしばらくして菊地と木下が同じ画面にそろうのを見て「やっぱり2人がそろうと“デカレン”という感じがするね」と話したという。菊地も改めて「やっぱり1人じゃデカレンジャーにはなれない」。たとえばイベントなどで、1人だけデカピンクの衣装を着ていても心細い。

 「戦隊シリーズはいつ誰が見ても、正義が勝つなど当たり前のことをいっぱい思い出させてくれる。テレビ放送から13年がたってもぶれない脚本だし、何度でも見て長く愛してもらいたい作品です」(文化部 兼松康)

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 映画「スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー」「ガールズ・イン・トラブル スペース・スクワッド エピソードゼロ」は17日から全国10館で上映。7月19日に両作がセットになったDVDやブルーレイが発売される。

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 ■菊地美香(きくち・みか) 1983年埼玉県出身。2000年、ミュージカル「アニー」のジャネット役でデビュー。04年テレビ朝日系「特捜戦隊デカレンジャー」のデカピンク役に。ドラマ、映画、舞台さらには声優と幅広い活動をしている。

 ■「スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー」 宇宙刑事ギャバンと特捜戦隊デカレンジャーが初めて出会い、新たなるヒーローサーガが幕を開ける。東映特撮ヒーローが世界観をクロスオーバーして合同捜査する「スペース・スクワッド」シリーズの第1作の位置づけ。

 ■「ガールズ・イン・トラブル スペース・スクワッド エピソードゼロ」 デカレンジャーのジャスミンとウメコ、宇宙刑事のパートナーであるシェリー、シシー、タミーという東映スーパーヒーローシリーズのヒロインら、女性だけが登場する異色作。「ギャバンVSデカレンジャー」の前日譚を描く。

 ■「特捜戦隊デカレンジャー」 2004年2月~05年2月、テレビ朝日系放送の全50話からなる「スーパー戦隊シリーズ」第28弾。星間犯罪組織を取り締まる銀河系宇宙警察地球署を舞台に、「S.P.D.」ことスペシャルポリス・デカレンジャーが、宇宙犯罪者のアリエナイザーたちに立ち向かう物語。

 ■「宇宙刑事ギャバン」  東映の「メタルヒーロー」シリーズの先駆けとして1982年3月~83年2月に放送。宇宙犯罪組織マクーから地球を守るため派遣された銀河連邦警察の刑事ギャバンの戦いを描いた。2012年1月の映画「海賊戦隊ゴーカイジャーVSギャバン」で30年ぶりに復活。同年10月に単独完全新作の「宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE」が劇場公開され、初代ギャバン=一条寺烈(大葉健二)から2代目ギャバンtypeG=十文字撃に世代交代が行われた。

最終更新:6/19(月) 10:00
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