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日欧EPA TPP水準でも打撃 政府、影響試算示さず

6/17(土) 7:01配信

日本農業新聞

 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉で、政府・与党内から、農業分野で環太平洋連携協定(TPP)水準を容認する声が相次いでいる。だが、豚肉やチーズなどの重要品目は、TPPと同水準でも国内農業への打撃が懸念される。政府は、日EUのEPAで影響試算を示しておらず、TPP合意に日EUが上乗せされることによる“二重の影響”にも検討が不可欠だ。拙速議論を避け、慎重な対応が必要になっている。

 農業分野の最大の焦点はチーズ関税の扱いだ。政府は特に、日本人が好むカマンベールなどソフト系を保護したい考えだが、EUは市場開放へ攻勢を強めている。

 欧州産チーズは、TPP参加国のオーストラリアやニュージーランド産と生産量や消費のされ方が異なる。TPPと同水準で譲歩すれば、影響が大きくなる場合がある。

 例えば、TPPで関税を下げるブルーチーズは、日本で流通するほとんどが欧州産。ハード系も、欧州産には人気の高いイタリア産「パルミジャーノ・レッジャーノ」など種類が多い。こうした、さまざまな欧州産チーズが安く流入する可能性がある。

 豚肉でも不安を指摘する声がある。TPPでは差額関税制度を維持した上で、低価格帯の関税を引き下げた。政府は、高価格帯の肉と安い肉を組み合わせ関税を最小化する「コンビネーション」輸入が続き、安い豚肉の流入は防げると見る。

 だが、日本が輸入する欧州産豚肉の特徴は価格の低さだ。ハムやベーコンなど加工に使われている。TPPと同水準まで関税を引き下げれば、安い部位が50円の関税を払い大量に流入し、国産に影響を与える可能性がある。

日本農業新聞

最終更新:6/17(土) 7:01
日本農業新聞