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「加計文書」告発者は罪に問われるのか? 専門家が徹底解説

6/17(土) 1:43配信

ホウドウキョク

ニュースのおさらいと論点

学校法人「加計学園」をめぐる「総理のご意向」などと書かれた文書について、6月15日、松野文部科学大臣は追加調査の結果を公表し、民進党などが存在を指摘していた19の文書のうち14の文書が文部科学省内の共有フォルダや職員の個人フォルダなどに存在していたことを明らかにした。

三浦瑠麗さんや専門家を見ながら記事を読む

複数の文書が確認されたことについては「大変申し訳ない」と陳謝している。

また、自由党の森裕子参議院議員が6月13日の参議院農林水産委員会で、義家弘介文部科学副大臣に対し、告発した職員が国家公務員法違反に問われる可能性について「今回告発した人は“公益通報者”にあたると思うが、きちんと権利を守る認識はあるのか」と質問し、「守るって言えないのか。そういう人たちの権利は守ると言ってもらえないのか」とただすと、義家文部科学副大臣は「国家公務員法(違反)になる可能性がある」と
文書を流出させた文部科学省の職員を処分する可能性を示唆した。


「加計文書」を流出させた職員は国家公務員法違反に問われるのか? 三浦瑠麗が専門家2人に聞いた。

三浦瑠麗の視点

森裕子議員が指摘した問題というのは、要は内部告発者が委縮しないように、仮に国家公務員法違反にあたる可能性があるとしても、特例でそういうことはしませんよと、政権としては検挙したりしませんよ、ということを確約してほしかったということですかね。

確約というのが現時点でできるかというと、難しい可能性があります。

青山学院大学法務研究科教授/弁護士・浜辺陽一郎さん

公益通報者保護法という法律がありまして、それによって公益通報であれば、労働者、あるいは仕事をする地位を奪われない、不利益処遇を受けないという、そういう保護法律があるんですね。

公益通報者保護法にあたる事例は法律で決められていまして、企業が何か不正をして、消費者の利益を害するような刑罰法規に反するようなことをやっていて、その企業の従業員が内部告発をした場合、通報先ごとに公益通報になる要件が定められていまして、公益通報に該当すれば、保護される。つまり、不利益処遇を受けませんよと。

もし仮にそれで不利益処遇を受ければ、たとえば解雇だとか減給とかがあったら争うことができて、企業のした行為は無効になると。そんなかたちで法律で定めがあるんですね。

一方、国家公務員法では秘密漏洩が罪とされています。

ただし、そういうことが抽象的に書かれているだけなんです。そうすると、秘密と言えるのか言えないのかというのは個別に判断しなきゃいけないわけですね。

国家公務員が扱っている情報っていろいろな情報があって、秘密じゃないものもあれば、秘密のものもあるわけですが、どれが秘密でどれが秘密じゃないのか、これはグレーなところも出てきます。

ひとつの考え方としては、実質的に秘密に値するものが保護されるけれど、実質的に秘密に値しないものは、たとえそれが漏れたとしても、この法令には違反しないという議論があり得るわけです。

今回の場合、それが実質的な秘密なのかどうかっていうのは、これだけでははっきりしないですよね。

秘密漏洩の判断基準は必ずしもはっきりとしないところがあって、私的な利益のため、つまり、情報漏洩をしてそれによってお金をもらうといったようなものは、おそらく不当だということになるんでしょうけれど、義憤に駆られて国民のためにっていうことであれば、それは必ずしも不正の目的ではないのかもしれないと。

だから、どういう趣旨なのかっていうのは個別に検討しなければいけないんです。

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最終更新:6/17(土) 1:43
ホウドウキョク