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8カ月前には想像できなかった「世界ベスト4」 ~車椅子バスケ男子U23世界選手権観戦記4~

6/17(土) 18:46配信

カンパラプレス

 16日(現地時間)、9日間にわたって熱戦が繰り広げられた「世界一頂上決戦」の幕が閉じた。日本は3位決定戦でオーストラリアに前半リードしながら、後半に逆転を喫し、3大会ぶりのメダル獲得には至らなかった。決勝ではイギリスがトルコを破り、初優勝。トルコも初めてのメダル獲得となった。

赤石、「守備力」でベンチから主力へ

 決勝後に行なわれた表彰式、最終日まで残った4チームの中で唯一、4位の日本だけが除かれていた光景に、何とも言えない寂しさと悔しさが募った。しかし、「バスケットボール」という競技において、「世界ベスト4」という結果は、考えてみれば、ものすごい快挙だ。そして、ふと思った。「悔しいと思ってしまうのは、それだけ彼らが成長したという証なのではないか」と。8カ月前の私には、この悔しさは想像することができなかったに違いない。

 京谷和幸HC率いるU23日本代表チームを初めて見たのは、昨年11月の北九州チャンピオンズカップだった。オーバーエイジ4人を含んだチームは全勝し、優勝こそしたものの、正直な感想を言えば、「果たして来年の6月、世界と戦うことができるのだろうか……」という不安要素の方が大きかった。当時からキャプテン古澤拓也と、チームで唯一のリオデジャネイロパラリンピック日本代表の鳥海連志という2枚看板はあったものの、それだけで勝てるとはとても思えなかった。「これで勝負する」というチームの強みが全く見えなかったのだ。

 ところが、今年1月、タイ・バンコクで行なわれたアジアオセアニア予選(AOZ)で目にしたのは、トランジションの速さとクイックネスを武器とする「守備力」だった。高さのあるハイポインターをゴールに近づけさせないための、高い位置からのプレスディフェンスが機能し、予選ではイラン、オーストラリア、タイなどの強豪国を次々と撃破し、全勝。銀メダルを獲得した。

 この時、台頭したのが赤石竜我だ。北九州ではメンバーには入っておらず、AOZで初めて日本代表のユニフォームに袖を通した赤石は、最初はベンチを温めることがほとんどだった。ところが、試合を重ねていくにつれて、赤石の出場時間はみるみるうちに増えていき、最終的には主力の一人となっていたのだ。少ない出場時間の中でも光っていた赤石の守備力が買われ、戦力としての価値が見出されたのだ。

 赤石は言う。
「もともと守備には自信がありましたが、初めての国際大会だったAOZで京谷さんに使ってもらって、『やっぱり自信を持っていいんだな』と再確認することができました。あの時から、『ディフェンス面では自分がチームを引っ張っていこう』という気持ちでやってきました」

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最終更新:6/17(土) 18:46
カンパラプレス