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スーダン難民がおかれる過酷な環境 緊急支援にあたった国連機関職員に聞く

6/17(土) 18:40配信

高校生新聞オンライン

 現在、世界中で6500万人以上いる難民・国内避難民。世界128カ国でその保護と支援を担うのが国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)だ。駐日事務所の職員の小坂順一郎さんは、昨年9月から3カ月にわたり、南スーダン難民の居住地があるウガンダでの支援活動に携わった。過酷な環境で、支援に奔走した日々を振り返ってもらった。(野口涼)

 こさか・じゅんいちろう 1970年生まれ。国際基督教大学で国際法などを学び、ロンドン大学で欧州統合などを研究。2006年から国連難民高等弁務官駐日事務所勤務。

昨年は40万人が流入

──なぜウガンダに派遣されたのですか。

 南スーダンでは政府内の派閥抗争が激化し、武力衝突にまで発展した2016年7月に治安情勢が急速に悪化しました。無差別な暴力行為や強盗・拘束、女性への性的暴行、男性に対する強制的な徴用などが横行する状況から逃れるため、昨年だけで約40万人、今年になってからも4月までに約20万人の人々が隣国のウガンダに流入しました。

 こうした状況を受けてウガンダ政府は、新たな難民居住地を北部の田舎町ユンベ付近に設置することを決めました。UNHCRがこの支援を要請され、私は緊急対応チーム(ERT)の一員としてウガンダに派遣されました。

──現地で行った主な支援内容は。

 現地には35以上もの国際NGOが集まり、水・衛生、保健・栄養、食料、物資、住居、教育など分野別のチームに分かれて支援を行っています。ニーズのギャップや重複が起こらないように調整するのがUNHCRの役割です。

 私は、毎日国境を越えてくる、多い時は6000人以上の難民の居住地への移動を担当。具体的には、一時滞在センターから政府が指定する居住地にトラックで移動し、食料と水、給水容器や簡易シェルターを作るためのビニールシートといった生活物資を配布し、子どもや女性などに適切な支援が届くようにします。

灼熱の環境で飲まず食わず

──対応で心掛けたことは。

 居住地を歩くだけでも「食料をもらえなかった」「仕事がしたい」「中学校に行きたい」といった難民からの相談が絶え間なくあり、対応に追われました。赤道直下の灼熱の中、難民も支援者もろくに食事も水も取らずに活動しているため、あちらこちらで感情的な対立が起きます。

 難民は「これから何が起きるのか」「自分たちはどのように扱われるのか」といった未来に対する情報に飢えており、こちらが感情的になれば向こうも感情的になります。同じ目線に立って話すことが、とても大切な状況でした。

──過酷な状況ですね。

 1人当たり15リットルから20リットルの水が必要といわれていますが、ひどいときには1日4リットルの水しか供給できないこともありました。水の供給が減ると、よどんだ川の水を料理に使うような状況が生まれます。一時はコレラも発生しましたが、幸い、感染は最小限にとどめることができました。

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