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鳥インフル警戒続けて 十勝家畜保健衛生所「号外」で周知 今月、韓国で発生相次ぐ

6/17(土) 14:58配信

十勝毎日新聞 電子版

 韓国で今月に入り、高病原性鳥インフルエンザが多発している。日本では渡り鳥の飛来シーズンが終わり、国が5月に「終息宣言」を出したが、隣国では猛威を振るっている。十勝家畜保健衛生所(=十勝家保、帯広市)や専門家は「リスクシーズン」(10~5月)が終わっても感染への警戒を呼び掛けている。

 農林水産省によると、韓国では13日現在、南東部の蔚山市や釜山市、済州島など国内各地で35件の高病原性鳥インフルエンザが発生。血清型はH5N8亜型か、H5亜型とみられている。韓国農林畜産食品部では、一連の発生農場は西部の群山市にある烏骨鶏(うこっけい)飼育農場が出荷した鶏を購入するなどしており、疫学的な関連があるとしている。

 日本では6月から9月は、渡り鳥が北方に帰り、高温でウイルスの活動も低下するため、リスクシーズン外としている。環境省は5月、野鳥の高病原性鳥インフルエンザの監視レベルを3から1に引き下げ、通常の態勢に戻したと発表。事実上の「終息宣言」とした。

 京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターの大槻公一センター長(獣医微生物学)は、この時期の韓国内の発生について、養鶏施設の機能や業者の意識について日本と差があることが背景の一つとみている。ただ、中国を含めてアジア地域で高病原性鳥インフルエンザが多発していることを受け、「過去には何度も韓国での発生後、日本でも発生している」と警戒する。

 こうした状況を受けて十勝家保は13日、管内で100羽以上を飼養する34の養鶏場や関係機関に、韓国や台湾での高病原性鳥インフルエンザの発生状況と注意喚起を伝える「号外」を送った。山口俊昭所長は「リスクシーズン前のこの時期にしてほしい防疫の取り組みを伝えた」と狙いを語る。

 日本国内の野鳥での高病原性感染件数は、2016年11月から17年5月までに200件余り。これまで最も多かった10~11年の発生期の62件を大きく上回り、過去最多になった。北海道清水町では昨年12月、道内で初めて養鶏場で発生し、約28万羽が殺処分された。

 高病原性鳥インフルエンザは、養鶏場で一度発生すると、全ての鶏が殺処分され、周辺の農場の鶏や卵も出荷規制を受ける。従業員や取引業者、地域ブランドの風評被害など広範囲にわたって影響が及ぶ。

 韓国では5月末、政府が特別警戒の態勢を解除したが、その後に多発している。

 大槻センター長は「何らかの形で国外からウイルスが持ち込まれる可能性はある。近隣諸国の状況をみると、とても防疫の手を抜ける状況にはない」と注意を呼び掛けている。(安田義教)

十勝毎日新聞