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犬や猫と災害避難 迷子対策にチップ、預かり先の準備も

6/17(土) 11:50配信

sippo

 命の大切さを学んだり、寂しさを癒やしてくれたり――。ペットと過ごすことで得られる効用は、災害時でも心の支えになりうる一方、うまく避難できなかったり、避難所でトラブルを招いたりする可能性もある。必要な備えは――。

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 災害時のペットの避難について、環境省がおもに犬や猫を想定して2013年に作ったガイドラインでは、「被災した飼い主の心のケアの観点からも重要」として、「同行避難」を原則としている。

 その前提として、日本獣医師会の村中志朗副会長は「他の人も含め極限状態にある避難生活では、他人のペットは癒やしにもなれば邪魔にもなりうる。ペットが『社会の一員』にもなれるよう、飼い主の備えと覚悟が必要だ」と強調する。

 環境省が飼い主向けに11年に作ったパンフレットなどでは、平時の備えとして、家具や家電の固定の重要性を挙げている。ブロック塀などの近くでは飼わず、窓ガラスが飛散しないよう、防護フィルムを貼っておくと良い。食べ物は5日分以上備蓄し、ワクチンの接種証明やペットと飼い主が一緒に写った写真を用意しておけば、はぐれた場合に役立つ。

 地震発生時にペットが驚いて外に飛び出し、「迷子」になってしまうこともあるので、人に飼われていると示すマイクロチップも有効だ。マイクロチップは直径約2ミリ、長さ約1センチの円筒形で、動物病院で首の後ろなどに注射器で埋め込む。費用は数千円だ。動物病院や警察署にある読み取り機をチップにかざすと表示される15桁の数字を元に、ネットの「動物ID情報データベースシステム」で照合すれば飼い主がわかる。

 すぐに避難できるよう、キャリーバッグは普段から部屋に置いて慣らす。「病院に連れて行かれるかも」と嫌がる場合もあるので、中で好物を与えるなど印象を良くすると、スムーズに運び出せる。猫は首輪が抜けることがあるので、前脚を通すハーネス(胴輪)を使う方法もある。

 自宅の建物に十分な耐震性があり、火災の恐れがない場合や、行政の避難の呼びかけがない場合は、ペットを自宅に残したり、一緒にとどまったりする選択肢もある。親類や友人、地域の人に一時的に預かってもらえる関係があれば、避難所に連れて行かなくても済む。

 飼い主が外出中に被災し、ペットが自宅に残された場合は、慌てて連れに戻らず行政に相談した方が良い。村中さんは「無理をした飼い主を救助する人が二次災害に遭いかねない。人命優先が絶対だ。1人で何匹も飼っている人は、災害時に本当に面倒を見られるかも、もう一度考えて」と話す。

sippo(朝日新聞社)

最終更新:6/17(土) 11:50
sippo

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