ここから本文です

【WEC】2020年から可動空力パーツとプラグイン・ハイブリッド導入へ

6/17(土) 16:37配信

motorsport.com 日本版

 2020年から導入される世界耐久選手権(WEC)の新たなレギュレーション案が発表された。

【動画】小林可夢偉、ル・マン24時間レース予選での驚異のラップレコード

 この新しいレギュレーションでは、LMP1クラスのマシンに可動もしくは能動的なエアロパーツとプラグイン・ハイブリッド(PHV)が導入されることになるという。またこのレギュレーション変更には、ピットストップの後1kmは電力だけで走行しなければならないという規則も含まれる。

 可動空力パッケージは、年間の開発コストを削減する目的で導入されることが目指されている。現在のレギュレーションでは、各メーカーが導入することができる空力パッケージは年間2種類までと規定され、ハイダウンフォース仕様とローダウンフォース仕様のパッケージが用意される。しかし、新しいレギュレーション下では、リヤウイングとフロントフラップが調整可能な形になり、年間1種類のパッケージで通すことになるようだ。

 FIAのテクニカルディレクターであるベルナルド・ニクロは、次のように語る。

「ひとつのボディワークに固定したら、我々は様々なコースの問題に取り組むことができるということを考えている。そして可動空力パーツを使い、合理的なコストでレースできるようになる」

 最終的な規則はまだ定義されていないが、複数の位置に設定される可能性があるという。

 また、エンジンを使わずに1kmを走行しなければならないということにより、ピットストップ時の充電を可能にする、いわゆる”プラグイン・ハイブリッド(PHV)”が導入可能になる可能性がある。

 FIA耐久委員会会長のリンゼイ・オーウェン・ジョーンズは、このレギュレーション案が自動車業界の動向を示していると説明する。

「PHVは、メーカーを説得することに繋がる。彼らは5年後には(PHVを)より販売するようになっているだろう」

「今後ますます多くの都市が、ゼロ・エミッションではないクルマの進入を閉ざしていくだろう。だからこのルールは、我々のレギュレーションに新たな次元を与えることになる」

 ジョーンズは、ピットアウト後のマシンがレーシングスピードで1kmにわたって走ることになると主張。この方が、ハイブリッドエネルギーの使用量を増やすよりも、メーカーにとっては合理的なものであると説明する。また将来的には、マシンが”ゼロ・エミッション・モード”で走行する距離がさらに増えていく可能性があることも明らかにした。

 新しいレギュレーションは、コスト削減の名目の下に置かれており、そのためメーカーはシーズン中に開発できる領域が著しく制限される。その代わり、F1のエンジン開発にも採用されていたトークンに似たシステムが導入され、各メーカーに一定の開発を可能にするという。

 年間での風洞の稼働制限時間も、900時間から600時間に削減されるという。また、テストにもさらに多くの制限が加えられることになるとみられている。

Gary Watkins