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伝統の技「撫川うちわ」絵柄涼し 岡山の工房で生産大詰め

6/17(土) 22:55配信

山陽新聞デジタル

 夏本番を前に、岡山県郷土伝統的工芸品「撫川うちわ」の制作が、岡山市で大詰めを迎えている。光にかざすと、アサガオやホタルなど風雅な絵とともに、絵柄に合わせた俳句が雲形の模様となって浮かび上がるのが特徴で、伝統の技法が人々に涼を感じさせる。

 江戸時代に三河(現在の愛知県)から伝わったとされ、同市の撫川地区で盛んに作られてきた。骨組みは細い竹を64本以上に細かく割って作り、和紙を貼り合わせて「すかし」の仕掛けを施すなど幾つもの工程を経て出来上がる。

 今では、作り手は保存会「三杉堂」のメンバー5人とわずかになった。中心となるのは同市北区の石原文雄(号・中山)さん(79)。自宅工房で、熟練の技を駆使して精巧に仕上げている。宮脇俊作(号・香俊)さん(69)=同市=らも伝統を受け継ぎ、制作する。

 手作業のため生産数は限られ、県内の特産品を扱う「晴れの国おかやま館」(同市北区表町)などで1本1万円前後で販売される。石原さんは「涼やかで気品のあるうちわを見て、使って楽しんでほしい」と話している。