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全仏10度目制覇のナダルが芝シーズンへ「僕は今、幸せだ」 [男子テニス]

6/17(土) 12:02配信

THE TENNIS DAILY

 10度目の全仏タイトル、総じて15度目のグランドスラム・タイトルを獲得したラファエル・ナダル(スペイン)が今、キャリア最高のテニスをしているかどうかを決めるのはほかの者たちに任せ、彼は今その注意をウィンブルドンに向けている。

「パーフェクト10」ナダルがワウリンカに完勝し、10度目の全仏タイトルを獲得

 彼はこの手の比較に興味を持たない。これまでも常にそうだった。

 レッドクレー上のほぼ完璧な2週間を締めくくる、ロラン・ギャロス決勝でのスタン・ワウリンカ(スイス)に対する6-2 6-3 6-1の圧倒的な勝利のあと----彼は大会を通し1セットも相手に許さず、7試合で35ゲームしか落とさなかった----ナダルは今の自分の実力を、かつてと同じくらい高く評価するか、と尋ねられた。

 彼は頭を振った。

「わからない。イエスともノーとも言えないよ。この2週間を通し、僕のテニスのレベルが高かったのは事実だ。でも僕はこの前にもすでに2度、1セットも落とさずにロラン・ギャロスで優勝している。そうだろ?」と、ナダルは笑みを浮かべて言った。

「僕にわかっている唯一のことは、今、自分がいいプレーをしているということだ。僕は幸せで、毎週を楽しんでおり、このまま続けたいと思っている。より美しい週を楽しめるようにするために、ハードワークを続けるつもりだよ」

 ワウリンカはナダルの強さを評価することについて、本人ほど慎重ではなかった。ナダルは今季すでに4度の大会優勝を遂げ、43試合に勝っており、クレーでは24勝1敗という成功を謳歌している。ATPランキングで彼は2014年10月以降でもっとも高い場所である、2位に上昇した。

「彼は今、これまでで最高のプレーをしている。それは確かだ。でもそれは、ここでだけじゃない」と2015年全仏を含め、グランドスラム大会で3度優勝した経歴を持つワウリンカは言った。

「今年の出だし以来、彼がよりベースラインに近い位置に立ち、よりアグレッシブにプレーしているのが見えるだろう。彼のプレーレベルは信じられないほど高い」

 とはいえ、休んでいる暇はない。この月曜日から3週間で次のグランドスラム大会、ウインブルドンで、また新たな戦いが始まる。

 世界1位のアンディ・マレー(イギリス)が前年度優勝者だ。1月に全豪オープン決勝でナダルを倒すことにより、18度目のグランドスラム・タイトルを獲得したロジャー・フェデラー(スイス)は、クレーコート・シーズン全体を休みに充てたあと、今、大会に戻った。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は4つのグランドスラム大会で、前年に獲ったタイトルをひとつも防衛できずに終わったあと、いい軌道に戻ろうと努めてくることだろう。

 そしてナダルは? 彼と、コーチでもある彼の叔父トニーは、彼がオールイングランドクラブでどんなふうにプレーするかについて、あるカギとなる要素を指摘し続けている。

「ラファエルの膝の状態がいいときには、彼はグラスコート上でもいいプレーをすることができる」とトニーは言った。

 ナダルは、2008年、2010年と、2度ウィンブルドンで優勝している。彼はまた、ほかに3度、決勝に至っている。

 しかし、彼が最後のウィンブルドンでいい活躍をしてから、かなりの時間が経っている。現在31歳のナダルは、2011年以来、ウィンブルドンで4回戦以上に進むことができていない。

 彼は昨年、左手首の故障のためウィンブルドンを欠場した。それに先立ち、同じ故障のために、彼は全仏でも2試合をプレーしたあとに棄権を強いられていた。

「僕はグラスコートが好きだ。それは皆が知っていると思う。だから膝の状態がうまくもち堪え、僕が本当に必要としている準備、やりたいと思っている準備の練習ができるよう願っている」と、ナダルは言った。

「もしそうできたら、うまくいかない理由はないよ。もし膝に痛みがあったなら、経験から、ほとんど不可能だということはわかっている。ウィンブルドンでいいプレーをするには、脚に、低い体勢をしっかり支えられる強さ、パワーを感じられるようでなければいけないからだ」

 少なくとも彼のテニスは今、一時的な衰退を乗り越え、トップギアに戻った。全仏オープンにおけるナダルの勝利は、彼にとってグランドスラム大会における2014年以来の優勝だったのである。

 記者たちは、その〈一時的衰退〉の時期の間に、ナダルがふたたびテニスの高みに戻ることについて、疑念を抱いていたかどうかを知りたがった。

「僕は毎日、疑念を抱いている。疑念は、僕が思うに、いいものだ。なぜって、疑念は人に謙虚な気持ちを持って、より激しく、より力を入れて練習を積む可能性を与える。ことを改善させ、上達させるためには努力を積み続けなければならないのだということを受け入れて、練習に打ち込むことを促すものだからだ」とナダルは言った。「だから、もちろん、僕は疑念を持っている。ここ3年の間、僕は疑念を持っていた。そして今、僕は数日のうちに、また疑念を感じることになるだろう。なぜならテニスの世界では、毎週、新しいストーリーが始まるものだからだ」

 彼が、10年以上を費やしてつくり上げてきた物語は、かなり魅力的で、好奇心をそそられるものだ。

 次の章には何が待っているのか、見てみることにしよう。(C)AP (テニスマガジン/テニスデイリー)

Photo: PARIS, FRANCE - JUNE 12: Rafael Nadal casts a print of his hands in clay during a promotional event at the 'Nike Store' on the Champs-Elysees avenue, one day after winning the men's Roland Garros 2017 French Open on June 12, 2017 in Paris, France. (Photo by Marc Piasecki/Getty Images)

最終更新:6/17(土) 12:02
THE TENNIS DAILY