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釣り、キャンプ、植物散策! 都会を流れる「多摩川」で自然と遊ぼう!

6/17(土) 11:30配信

TOKYO FM+

現在では毎年400万匹を超える鮎が遡上する「多摩川」。東京都と神奈川県の県境の下流域では、6月1日から鮎釣りも解禁され、大勢の釣り人で賑わっています。今回はそんな「多摩川」の魅力を、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えてもらいました。

◆「ひとりでキャンプや釣りをしています……」
~芸人 ヒロシさん

── ヒロシさんはキャンプがお好きなんですか?

3年くらい前からソロキャンプをしに奥多摩あたりへ行くようになりました。少しずつ共感してくれる人が増えて、今は7人の仲間がいるんですけど、みんなでキャンプ場へ行っても各自でテントを立てて、食事を作って、ソロキャンプをしています。

普通、みんなでキャンプに行くと、一緒に食事を作って同じものを食べたり、ひとつのテントで一緒に寝たりしますよね? でも、それだと食べたいものが違ったり、テントで狭い思いをしたり、あれこれ不満が出ます。ソロキャンプにはその不満がないのがいいところ。バイきんぐの西村クン、うしろシティの阿諏訪クンといった人見知り仲間とソロキャンプを楽しんでいます。世間ではこれからキャンプシーズンに突入しますが、人が増えるので僕らはオフシーズンですね(笑)。

── 奥多摩に行くのは特別な理由が?

奥多摩に閉鎖されたキャンプ場があるんですが、管理人のお婆さんにお菓子を持って行くと「使っていいよ」と言ってくれるのでよく利用しているんです。奥多摩は鹿や猪、狸などの動物がいっぱいいるのがいいですね。クルマで山道を走っていると前を鹿が横切りますし、キャンプ場で夜に目が光っているのが見えて何かと思ったら狸でした。

同じ根暗キャラでも性格はけっこう違うもので、クルマに荷物を積むときも袋にズボッと入れるだけの人もいれば、僕みたいにザックに綺麗に収める人もいます。うしろシティの阿諏訪クンは料理が得意なので、ずいぶん手の込んだ料理を作っているようです。

── 多摩川で釣りも楽しめそうですね!

僕は釣り好きが高じて多摩川沿いに引っ越したくらいです。河口近くの神奈川県側なんですが、シーバスと呼ばれるスズキが釣れる場所があるので、その土手の下に家を借りて毎日歩いて釣りに行っていました。ある時期になると鮎が上流から降りてくるのですが、スズキはその鮎を狙って海から近寄ってくるんです。そこを僕みたいな釣り人が狙います。

多摩川では鯉も釣れます。海外では「カープ釣り」と呼ばれてけっこう流行っているみたいです。ゴルフボールの半分くらいの餌を針に付けて投げっぱなしにするんですが、反応があるとリモコンで教えてくれる装置があるので楽ですね。中にはビックリするくらい大きな鯉もいて、メートル級も普通にいるのが魅力です。


◆「多摩川で大物を釣ろう!」
~フィッシングジャーナリスト、東京海洋大学教授 奥山文弥さん

── 多摩川ではどんな魚が釣れますか?

春になると河口付近の京浜運河からマルタという魚が多摩川をさかのぼって産卵しに来ます。マルタはウグイに似た魚で、体長50~60cm。何万匹ものマルタが川に上ってきてバシャバシャと水飛沫を上げるその光景は、遊歩道から見ても「あ、魚があそこにいる!」とわかるほどです。二子玉川から中野島までの10kmくらいの範囲で産卵するので、そこで多摩川ならではの釣りが楽しめます。

さらにマルタの卵を食べる魚もたくさん集まります。コイ、ニゴイ、ナマズ、フナなどのけっこう大きいサイズの魚が卵を食べに来るので、その巨大魚を狙う釣りも楽しいものです。コイなら普段は50~60cmサイズが釣れるのですが、マルタの産卵の時期になると「今までどこにいたんだろう?」と不思議に思うくらい70~80cmサイズのコイが現れます。

── 具体的にはどうやって釣るのでしょうか。

コイを釣るなら、ミミズや練り餌を使ったエサ釣りもできます。パンやポップコーンを撒けばパクパクと食べるために浮かび上がってくるので、パンそっくりのフライを作って釣るのもおもしろいでしょう。コイはのぼって来たアユを食べるのでルアーで釣ることも可能です。

コイは本当に何でも食べますが、実は胃がない魚です。魚類学で「無胃魚」と呼ぶのですが、胃がないせいで満腹することを知らず、エサがある限り食べ続けます。だからコイが人の足音を聞いて逃げていっても、エサを撒いたりしながら待ち続ければ居心地の良い場所に必ず戻ってくるので諦めずに待ちましょう。

── 奥山先生の多摩川でおすすめの釣りポイントは?

渓流釣りでしたら奥多摩湖の上流の小菅川です。ここは村全体で釣り人を歓迎しているところで、川にいる魚の数を維持するために、釣った魚をリリースしなくてはいけない区間と、持ち帰ってもいい区間をしっかり区分けしています。初心者の練習にもぴったりですし、上級者も満足できる場所です。

多摩川の上流には支流がたくさんあって、中には「こんなに魚がいるの?」という場所もあります。そういう場所はクルマでけっこう奥まで入らないと辿り着けません。あなただけの秘境が見つけられるかもしれないので、ぜひ探してみて下さい。ただし魚の保護のために禁漁河川に設定されている場所もあるのでそこはちゃんと確認して、多摩川の釣りを楽しんでいただければと思います。


◆「都会を流れる多摩川の河原にも豊かな自然が」
~東京農工大学 農学部 地域生態システム学科 教授 星野義延さん

── 星野先生は何を研究をされているんですか?

私は植物が専門なので、多摩川の植物を研究しています。ここしばらく研究していたのは多摩川に河原が少なくなってしまった現象です。この現象は多摩川に限った話ではないのですが、河原でないと見られない植物がたくさんあるので、その再生について研究していました。

河原が少なくなった理由は、かつてコンクリートで建物を造るときに川の砂利を使っていたからです。川からたくさん砂利を取ってしまった影響で川に河原ができにくくなってしまいました。砂利の採取は戦後ぐらいの頃が一番盛んだったのですが、その影響でだんだん河原が狭くなってきて現在に至っています。

── どうやって河原を再生するんですか?

川は水が流れていると思われていますが、実は水だけでなくいろんなものが流されています。砂利、砂、葉っぱ、目に見えないくらい細かい粒子も含めれば、本当にいろんなものが流れているんです。それらが健全に流れているのが良い川と言えるでしょう。

現在は上流で堰にたまった砂利を取り除いたら、それを下流に持っていって河原を再生させる試みも行われています。ただ、取ってしまった砂利の量がものすごく多いので、なかなか元に戻らないというのが現状です。

── 河原ではどんな植物が見られるのでしょう?

場所によっては木が生えて森になっているところもあります。昔はもっと石が多かったので森にならず草原だったのが、石じゃなくて砂になった影響で大きな木が育ってしまうんです。特に最近は外来種のニセアカシアが多摩川の岸辺にたくさん自生していることが問題になっています。このニセアカシアは上流で植えた木から落ちた種が流れ着いて芽を出したものだと考えられます。

カワラノギク、カワラニガナ、カワラサイコなど、河原でしか見られない植物も多摩川にたくさん生育しています。カワラノギクは普通の野菊と較べると花の咲く時期も違いますし、図鑑でちゃんと調べれば花の形の違いもちゃんとわかると思います。実は河原は砂利だらけなので表面がすごく乾燥している場所で、そんな環境でも育つ力を持っているのが河原の植物です。

(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」6月10日放送より)

最終更新:6/17(土) 11:30
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