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一貴の『ノーパワー』から1年。「365日のうち、364日間ずっと同じ想いのまま」とトヨタ村田久武氏

6/17(土) 18:39配信

motorsport.com 日本版

 2016年ル・マン24時間レース残り3分というところまで中嶋一貴の駆るTOYOTA GAZOO Racing TS050 Hybridがトップを走行していた。しかし、突然のマシントラブルによりトヨタは悲劇的な終幕を迎えた。その雪辱を晴らすべく、敗北したあの日にトヨタは再スタートを切った。

写真:ル・マン決勝数時間前に行われるウォームアップセッションでは、8号車トヨタがトップタイムだった

 ル・マン勝利を誰よりも希求するWECトヨタのハイブリッドプロジェクトリーダーの村田久武は、テストデーよりも前からル・マン入りし、決勝レースに向けて余念が無い状況だ。ル・マン決勝前日に村田は、予選での小林可夢偉の驚異的なラップタイムや現在の心中について語った。

トヨタが新たなコースレコードを樹立

 昨日行われたル・マン予選では、全セッションで7号車トヨタの小林がトップタイムを記録した。またQ2では、3分14秒791というタイムを記録した。これは2015年に更新されたサルテ・サーキットのレコードタイム(ニール・ジャニ/ポルシェ919Hybrid/3分16秒887)を約2秒上回っており、新たな記録が樹立されたことになる。

 今年のマシンの最大ポイントについて、村田は次のように説明する。

「今年の最大のポイントは、エンジンの馬力がかなり上がったことと、空力のレギュレーションを完全にキャッチアップできたことですね。だから空力のダウンフォースレベルで言えば、去年のレベルは完全にクリアできています」

「つまりマシンの空力が昨年レベルに達成している上で、さらに馬力が上がったエンジンが搭載されている。そうでないと14秒台は出ないですよね。それにしても、あの14秒台には驚かされました」

「”シミュレーション上だとどれくらいなの?”とみんなに質問されるのですが、言えないですね。ただ我々の想像を超えていました」

 その理由について深掘りすると、村田はさらに説明した。

「面白くない答えをするならば、路面とタイヤがきっちり当てはまったということですよね。いくら馬力やダウンフォースを出したところで、タイヤが働かない限りはタイムは出ないです。シミュレーションとの違いはそこです」

「コンディションと路面温度は想定を越えていました。僕らはあんな高い温度の場所でテストを行ったことがないんです。なので特にFP(フリー走行)ではかなりデータを取りました。最後アタックタイムを出そうとしたらそれなりのタイムが出たので、かなり良いデータが取れました」

「可夢偉のアタックのタイミングって、一番タイムの出る頃よりもちょっと手前の段階なんです。次のQ3は(コースインが)遅れたじゃないですか。だいたいトラブル明けってみんな一斉に出てこないので、バックマーカーが長い距離に出てしまうんですよね。8、9号車がアタックしようとした時にもGTに詰まってしまって、勿体無かったですよね。あれが決まればもうちょっと綺麗に並んでいたかもしれません」

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