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【ライターコラムfromC大阪】「いつか一緒に」 憧れの先輩との共演へ、着実に成長を続けるMF西本雅崇

6/17(土) 13:25配信

SOCCER KING

 今季ここまで2勝4分6敗と苦しい戦いを強いられているセレッソ大阪U-23だが、その中で、キャプテンマークを巻いて奮闘しているのが西本雅崇。ボランチとして、今季の明治安田生命J3リーグで、開幕から全試合で先発を果たしている。「選手自身がピッチの中で状況を感じて判断できるようになって欲しい」という大熊裕司監督の考えの下、試合のコントロールも任されている。

 今季のC大阪U-23は、前からボールを奪いに行く守備と、スペースを埋める守備の使い分けにチャレンジしているが、これがうまく機能しているとは言えず、プレスに行っても連動できずにはがされ穴を空ける場面、下がり過ぎてボールに行けずにドリブルでこじ開けられる場面など、守備の綻びが目立つ。被シュートは多く、ボール保持の時間も短い。そういった苦しい状況の中、西本も苦悩する姿が目立つ。

 J3第10節のガンバ大阪U-23戦の後は、「状況に応じた守備の使い分けはボランチである自分が声をかけてできればいいけど、この試合は何もできずに終わってしまった。相手に余裕を持って回させてしまった。我慢することも大事だけど、行ける時は行くことも大事。相手の攻撃を防いだあと、自分たちの時間を増やすことも今の課題」と渋い表情で振り返った。

 ただし、そういった苦しい試合や状況を血肉に変えることができるのが、彼の良さでもある。自身の心境や置かれた立場を的確に言葉で表すこともできる。C大阪U-18時代も決して順調に育ってきたわけではなかった。監督やコーチに厳しい言葉を投げかけられながら、トップ昇格までこぎつけた。21歳の誕生日となった6月11日には、「今、コツコツ努力して、ちょっとずつ変化も出てきていると思うので、これを続けて、今年、来年ともっともっとトップチームに関わっていきたい」と自身に芽生える変化の兆しを明かした。

 日々、成長につなげる努力を怠らない姿勢が伝わってくる。トップチームの尹晶煥監督も、そんな彼に目をかけている。JリーグYBCルヴァンカップの第4節・サンフレッチェ広島戦でトップチームデビューを果たした西本は、ルヴァンカップの第6節では先発フル出場。グループリーグ首位を争うヴィッセル神戸との大一番で、先発に抜擢された。

 山口蛍が日本代表に招集されていたこともあり、今週はトップチームで練習を続けた。紅白戦では、Bチームのボランチに入り、J1第15節の清水エスパルス戦が出場停止のソウザとコンビを組んだ。広範囲に動き、Aチームの攻撃陣からボールを刈り取るソウザの姿を見て、刺激を受けたことは間違いない。「(トップチームの練習に)呼んでもらえているということは、どこかで試合に出るチャンスもあると思う。そのチャンスを自分がモノにできるかどうか。呼ばれた時に力を発揮できるように準備し続けたい」

 前述した誕生日には、ちょっとしたプレゼントもあった。欧州のシーズンを戦い終えて帰国した南野拓実(ザルツブルク)が自主トレの一環としてトップチームの練習に混ざっていたのだが、その彼とボール回しをともにする機会があった。同じC大阪U-18出身の南野と西本は2歳違い。南野が高3の時、西本は高1だった。「中学の時も一緒にやっていて、(下部組織時代は)『拓実くんみたいになりたい』という気持ちをずっと持っていた。一緒に試合に出た時は、『俺にパスを出せ、俺に出せば点を取ってやるから』と言ってくれて、実際に取ってくれた。『すげぇな』って(笑)。僕にとっては特別な存在で、今でも喋る時はドキドキします」。南野との思わぬ再会を振り返り、西本はそう照れ臭そうに話した。

「何か話したの?」と聞くと、「いや。覚えてくれているとは思いますけど、聞けないですね」と苦笑いした後、「でも、いつかトップチームで一緒にプレーしたいですね」と目を輝かせた。「改修後の大きくなったキンチョウスタジアムで、欧州から戻ってきた南野選手とプレーする機会も来るのでは?」と水を向けてみると、「そうなったら嬉しいですね。でも、そのためには僕が成長しないとその舞台には立てない。自分が頑張らないといけない」と真顔で話した。

 ゆっくりでも、コツコツ、一歩でも前へ。もがきながらも成長を続ける西本から、目を離さないで欲しいと思う。

文=小田尚史

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最終更新:6/17(土) 13:25
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