ここから本文です

花筏け散らし…レッドブル動画に賛否

6/17(土) 11:42配信

Web東奥

 青森県弘前市が昨年4月、弘前さくらまつりが開かれていた弘前公園で、同市が展開する広報活動「弘前デザインウィーク」の一環として、飲料メーカー「レッドブル・ジャパン」(東京)に対し、花筏(はないかだ)の外堀を「ウェイクボード」で滑走する映像の撮影を許可していたことが16日、分かった。同社は今年4月、ウェブに動画をアップしたが、「PR効果があるすごい映像」「市が許可を出したこと自体おかしい」など賛否が分かれている。
 問題となっているのは「レッドブル流・花見」と題した約26秒の映像で、プロ選手が高速で蛇行しながら水面の花筏をかき分けるように滑走しているもの。同社のツイッターなどで見ることができる。
 市経営戦略部広聴広報課によると、撮影はレッドブル社側の要請を受け、2016年4月27日深夜から28日未明にかけて、市役所前の外堀で行い、市職員も数人立ち会った。動力には、堀端に設置したウインチを使ったという。
 16日の市議会一般質問で、この映像についてただした今泉昌一議員(無所属クラブ)に対し、竹内守康経営戦略部長は「レッドブル社の持つ強力なネットワークを活用して、弘前の桜を世界にPRできる絶好の機会と判断し協力した。花筏は翌朝、元の状態に戻ったし、観光客への影響はなかった」などと説明。
 これに対し、今泉議員は「先人たちが築き上げてきた、桜をめでる文化を破壊するもの。何でも発信すればいい、おもしろければいい、という風潮がとても気になる。弘前の街の歴史や誇りについて考え直してほしい」と厳しく批判した。
 市広聴広報課は「再生回数も6万回に上った。確かにごく一部否定的な意見もあったが、若者を中心に一定のPR効果があった」とする。市内の20代の男性も「すごい映像だ。若者には受けると思う」と語る。
 一方で、弘前観光ボランティアガイドの会の中谷敏右会長は「なぜこんなことを市が許したのか。そもそも社会常識を逸脱している」、弘前大学人文社会科学部の関根達人教授(弘前城跡本丸石垣発掘調査委員長)は「史跡に影響を与えるわけではないので目くじらを立てることもないかとは思うが、何かやるにしてももっとお城や桜にふさわしいことがあるのでは。あの映像が弘前のイメージアップにつながるとは思えない」と指摘する。
 文化庁記念物課の担当者は取材に「基本的には史跡を管理する弘前市の判断。都市公園はさまざまな形で活用されており、端的に善しあしは言えないが、仮に破壊などがあった場合は責任が問われるだろう」と話している。
 レッドブル・ジャパンは、担当者不在を理由に取材に応じていない。

東奥日報社

最終更新:6/17(土) 11:42
Web東奥