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漆・藍染め・和紙、伝統融合 京都・福知山で商品開発

6/18(日) 9:13配信

京都新聞

 京都府福知山市の伝統工芸「丹波漆」「由良川藍」「丹後和紙」を担う3団体でつくる「福知山伝統文化を守る会」が、互いの技術を融合した商品開発に取り組んでいる。第1弾として今夏、藍染めの和紙を使った手作りの名刺の販売を始める。メード・イン・福知山の技術や歴史をPRし、「地元の伝統工芸を元気にしたい」と意気込んでいる。
 同会は昨年、後継者育成を目的に、丹後二俣紙保存会と、NPO法人丹波漆、福知山藍同好会で結成。3団体の技術を駆使した新商品を作り、衰退が進む福知山の伝統工芸を活性化しようと、技術交流会や企画会議などを開いてきた。
 最初に完成したのは、藍染め和紙の名刺で、原料の栽培から制作までの全工程を市内で行った。今春から試作し、繰り返し藍染めした和紙を、水洗いして再度すき直すことで、ムラがなく色落ちしにくい紙を開発。鮮やかな藍色と、和紙の柔らかい質感にこだわった。藍染めを担当した藍同好会の塩見勝美さん(79)は「水に溶けやすい和紙を染めるのは難しかったが、美しい藍色が出てうれしい」と満足そうに語る。
 現在は、藍染め和紙100%の濃紺色と、藍染め和紙と無染色の和紙を混ぜた水色の2色で、今後も色の選択肢を増やしたり、漆の絵を施したりするなど改良を続けていく。「技術や手作りならではの質感を対面で伝えたい」と言い、田中製紙工業所(同市大江町二俣)の工房で、8月から1枚60円で販売する。
 会長を務める丹後二俣紙保存会の田中敏弘さん(55)は「すべての工程を市内で行った正真正銘の『福知山産』。名刺を配る際の話題作りに、地域の伝統工芸を活用してほしい」と期待している。問い合わせは田中製紙工業所0773(56)0743。

最終更新:6/18(日) 14:31
京都新聞