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スプレッド、栽培工程自動化で収穫量1.5倍 低コスト植物工場を着工

6/19(月) 8:15配信

SankeiBiz

 植物工場を運営するスプレッド(京都市下京区)は、栽培工程のほとんどを自動化する次世代型植物工場「テクノファームけいはんな」を着工した。2007年から稼働している第一工場「亀岡プラント」に比べ、大幅に経費を削減し、植物工場の課題である高コスト体質を改善する。生産するリーフレタスは第一工場に比べ約1.5倍の1日当たり3万株の収穫を見込む。今年末に完成させ、年間10億円の売り上げを計画している。

 京都府木津川市のけいはんな学研都市に設置し、研究開発・実験室を併設する。鉄骨造り2階建てで3950平方メートル。単一のレタス工場としては世界最大級の生産能力を持つ。

 第一工場に比べ、苗を生育させ収穫するまでの人手がかかる工程を自動化することで、人件費を半分に削減。栽培に使用する水は濾過(ろか)、循環させて98%をリサイクル。野菜栽培に特化した発光ダイオード(LED)も自社開発し、電力消費量を30%節減する。IoT(モノのインターネット)技術も駆使し、栽培・生産のビッグデータを収集・分析して、遠隔での集中管理を可能にするなど、運用コストと環境負荷の軽減を実現させる。

 今年中に完成させて18年に稼働し、出荷を始める計画。今後フランチャイズ(FC)方式で全国20カ所に工場を建設。日産50万株のリーフレタスを生産し、国内リーフレタス市場の10%のシェア獲得を目指す。また、海外にも進出し、現地企業とともに各地の市場に対応した運営をする方針だ。

 植物工場は気象変動の影響を受けることがなく、病害虫の被害に遭うこともない。安全な野菜を安定的に供給できることから、次世代農業として期待を集め、農業ベンチャーだけでなく、オムロンや東芝などの大企業も次々と参入している。

 しかし、高額の初期投資が必要で光熱費など生産コストがかさむほか、栽培方法が確立されていないため、生産の歩留まりも悪かった。

 このため数年で撤退した大企業があったほか、千葉大学発ベンチャーとして期待された「みらい」も野菜生産が安定せず、売り上げが想定を下回ったことで大幅な営業赤字を計上し、15年6月に経営破綻した。植物工場は参入企業の7割が赤字であるとされ、事業化が難しいのが現状だ。

 スプレッドでは「リーフレタスの店頭での販売価格を2~3割下げて、工場野菜の普及を図りたい」としている。

最終更新:6/19(月) 8:15
SankeiBiz