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<コール独元首相死去>「一つの欧州」尽力 ユーロ導入に道

6/18(日) 0:49配信

毎日新聞

 【フランクフルト中西啓介、ブリュッセル八田浩輔、パリ賀有勇、ロンドン矢野純一】ドイツのヘルムート・コール元首相が16日、出身地の西部ルートウィヒスハーフェンの自宅で87歳で死去したことを受け、各国首脳らは相次いで哀悼の意を表明した。欧州からは、欧州連合(EU)の創設を定めたマーストリヒト条約の締結に尽力し、ミッテラン仏元大統領との個人的な協力関係の下、共通通貨ユーロの導入に道を開くなど「一つの欧州」実現に向けた貢献への称賛が目立った。

 コール内閣で女性・青年相などに任命されたメルケル独首相は「偉大なドイツ人、欧州人だった」と追悼。マクロン仏大統領も「独仏友好の主導者だった」とツイッターで哀悼の意を示した。メイ英首相は声明で「冷戦終結と(東西)ドイツ統一での役割に敬意を表する」と述べた。米ホワイトハウスは「世界が彼の展望や行動の恩恵を受けた」との大統領声明を発表した。

 EUのユンケル欧州委員長は「欧州をより良く前進させる道を示し続けた」と歴史的な功績を強調。「コール氏がいなければユーロはなかった。当初から政治・経済的な意義、計り知れない価値を理解していた」とし、「コール氏、そして緊密な協力者だったミッテラン氏にとって、欧州(統合)は平和へのプロジェクトだった」と述べた。

 ポーランド出身のトゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)はツイッターで「コール氏のことはいつまでも忘れない。欧州の再統合を支えた友人であり良き指導者だった」としのんだ。ブリュッセルのEU本部前では同日夕(日本時間17日未明)、半旗のEU旗が掲げられ、欧州統合の功労者の死を悼んだ。

 また、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長もツイッターで「コール氏は統一ドイツ、統一欧州そのものだった」と述べた。ツイッターのNATO公式アカウントでは、ベルリンの壁が崩壊した翌90年にロンドンで開かれた首脳会議に出席したコール氏の写真を投稿。この会議は、冷戦終結後の欧州情勢に対応するため、軍事同盟としてのNATOが自由と民主主義の価値共同体としての政治的側面を強調される転換点となった。

最終更新:6/18(日) 1:13
毎日新聞