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<トランプ氏>公約実現を強調 キューバ制裁強化、限定的か

6/18(日) 9:30配信

毎日新聞

 【ワシントン高本耕太、サンパウロ朴鐘珠】トランプ米大統領は16日、オバマ前政権が進めたキューバ制裁緩和策を転換すると正式表明した。キューバのカストロ政権との関係が冷え込むのは必至だが、外交関係は維持し影響は限定的との見方もある。ロシアによる米大統領選介入とトランプ陣営の癒着疑惑で追及を受けるトランプ政権には、公約実現を強調して支持をつなぎ留めたい思惑がある。

 「キューバの圧政から目を背けない。前政権は誤った取引をした」。トランプ氏は米南部フロリダ州マイアミでオバマ前政権の融和策を批判し、米国民の渡航制限強化や、キューバ軍・情報機関の関連企業との取引規制などの政策を発表した。

 だが、新政策は微修正に過ぎないとの見方が大勢だ。オバマ前大統領が2015年に回復した国交や再開した大使館は維持され、航空定期便も運航を続ける。トランプ氏は人権侵害を批判し政治犯釈放を要求したが「具体的対応に言及しなかった」(ワシントン・ポスト紙電子版)。

 キューバ政策見直しは「支持層へのアピール」(政治専門メディア・ポリティコ)の側面が強い。トランプ氏はオバマ前政権の政治遺産を否定し民主党政権に不満を持つ層の支持を集めたが、政権発足後は主要政策の実現に難渋しロシア疑惑も拡大、支持率は漸減が続く。今回も「オバマ時代からの転換」演出で支持層つなぎ留めを狙った形だ。

 キューバ政府は16日、国営テレビで「経済封鎖強化だ」と新政策を批判した。まず影響を受けるのは観光業だ。オバマ氏は15年に米国民のキューバ渡航条件を緩和、翌16年には民間航空機の定期便とクルーズ船が就航し、キューバ観光が過熱した。同年にキューバを訪問した米国人は28万5000人。今年は1~5月で昨年1年分とほぼ同数の米国人観光客数を記録した。だが今回の制裁強化で個人旅行は禁止。宿泊業者やレストランなども打撃を受けそうだ。キューバ外交筋は「関係改善の望みが薄くなり、将来は読めない」と語る。

最終更新:6/18(日) 9:30
毎日新聞

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