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逮捕の中3は小学校から PCウイルス作成の実態を識者解説

6/18(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「小学校高学年のころからコンピューターウイルスを作っていた」――。身代金型ウイルス「ランサムウエア」を作成して神奈川県警に逮捕された中3の男子生徒(14)の供述が注目されている。

 少年は、今月5日に不正指令電磁的記録作成・保管の容疑で逮捕された。ウイルスの作り方を独学し、ランサムウエアを3日で完成させたと供述していたが、小学生のころから才能を発揮していたとは驚きだ。

 コンピューターウイルスというと、天才的な頭脳と知識がないかぎり作れないものと思ってしまうが、実際はどうなのか。

「実は簡単に作れるのです」とはITジャーナリストの井上トシユキ氏。

「ネット上には“ハッカーコミュニティー”といって、違法なプログラミングに精通したハッカーが集まるサイトがあります。そこではウイルスのひな型である“ウイルスキット”が販売されている。価格は数千~数万円で、お金を払うとUSBメモリーで送られてきたり、クラウドからダウンロードできたりする。ハッカーたちは意外と親切で、買ったのが子供の場合、質問を受けるとメールなどで懇切丁寧に指導。少年は優しいお兄さんたちの教えを受けてプログラムを完成させるのです」

■プログラムが小学校の必修科目に

 子供のころラジオキットを買い、配線をハンダ付けして完成させた経験がある人は少なくないはずだ。ウイルスキットはラジオ作りと同じ。半ば完成したものを買い、文字や数字を打ち込んで完成品のウイルスにする。ITに疎いサラリーマンにもできるそうだ。

「ラジオが出来上がったらスイッチを入れたくなるように、ウイルスの作成者もばらまきたくなるものです。大抵は自分なりの工夫を加えた亜種を拡散させることになる。ばらまき願望があるかぎり、ウイルスはなくなりません」(井上トシユキ氏)

 文科省は2020年から小学校でのプログラミング教育を必修化する。子供が授業でソフトを作る時代がくるのだ。

「プログラミング教育が本格化したら、ウイルスを作れる子供は確実に増えます。授業の際にプログラムの危険性を教え、倫理面の指導をしっかりしなければなりません」(ITに詳しいジャーナリストの山口健太氏)

 20年が“ハッカー元年”にならないよう祈りたい。