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<里浜写景>ウニと人 海底の陣取り合戦

6/19(月) 10:00配信

河北新報

 水深わずか4メートルの三陸の海。黒いとげで“武装”した生き物が、豊かな海の森へ攻め込んできたかのような風景が広がる。

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 東日本大震災の後、志津川湾で「磯焼け」が進む。原因はどうやらウニ。数が増えて海藻を食べ尽くしているらしい。

 元の海に戻そうと、宮城県南三陸町の野島に「磯焼け対策調査場」が設けられた。町と東北大、県漁協志津川支所の産学官連携チームが定期的に海に潜り、生息数や大きさを調べながらウニを捕獲している。

 海底まで潜ったら、海藻を食べ尽くされて白い砂漠のようになった岩肌に、キタムラサキウニがへばり付いている。すぐ隣で藻が揺れるが、放っておくと同じ砂漠になってしまう。

 「磯焼けしたら、人が手を加えないことには回復は難しい」と町ネイチャーセンター準備室の阿部拓三さん(42)。一度に50キロのウニを取り除くという。

 人と海とが共生してきた三陸の沿岸。海の底のせめぎ合いは、里の海を取り戻す営みでもある。(文と写真 写真部・庄子徳通)

<メモ>東北大の吾妻行雄教授(水圏植物生態学)によると、志津川湾にキタムラサキウニが大量発生したのは2013年秋から。それ以降、マコンブやアラメの森に磯焼けが急激に拡大し始めた。震災の年の11年秋に生まれたウニが多く、外敵の減少や漁獲減などが原因らしい。

最終更新:6/19(月) 10:00
河北新報