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<日本郵政>戦略見直し必至 野村不の買収、株価上昇で白紙

6/18(日) 12:30配信

毎日新聞

 日本郵政による不動産大手の野村不動産ホールディングス(HD)の買収交渉が白紙となる見通しとなった。買収計画が表面化して以降、野村不動産HDの株価が上昇した影響などから交渉が難しくなったためとみられる。日本郵政は不動産事業を強化し新たな収益源とする狙いだったが、戦略の練り直しを迫られることになった。

 日本郵政は、国営郵政時代の名残で全国の主要ターミナル駅前などの一等地に巨大な郵便局の建物を保有。これらの資産の有効活用で不動産事業を強化しようと、野村不動産HDを買収してノウハウを取り込む戦略を描いていた。しかし、5月中旬に買収計画が報道されると、野村不動産HDの株価が上昇。その後も株価は高止まりしたままで、株式の過半取得には当初想定した以上の資金が必要な情勢となっていた。社内からは「高値づかみにならないように慎重な対応をすべきだ」との声が出ていたという。

 一方、分譲マンションを手がける野村不動産HDも日本郵政傘下に入ることで、都心の不動産開発事業で相乗効果が見込めるとみられていた。筆頭株主の野村ホールディングスは資産売却を急いでおらず、保有株式の安値売却に慎重で、日本郵政との交渉で価格面での溝を埋めることができなかった模様だ。

 日本郵政は2015年に買収したオーストラリアの物流子会社の業績低迷で約4000億円の損失を計上した影響で、17年3月期連結決算は07年の民営化後初の最終(当期)赤字に転落。買収戦略の失敗を投資家から批判されていた。【工藤昭久、片平知宏】

最終更新:6/18(日) 12:30
毎日新聞