ここから本文です

映画『この世界の片隅に』、仏アヌシー映画祭で審査員賞受賞

6/19(月) 5:00配信

オリコン

 片渕須直監督によるアニメーション映画『この世界の片隅に』(公開中)が、フランスで開催された『第41回アヌシー・アニメーション国際映画祭』で長編部門の準グランプリにあたる審査員賞を受賞した。授賞式に出席した片淵監督、真木太郎プロデューサーからコメントが到着した。

【場面カット】映画『この世界の片隅に』名場面

 片渕監督は「海外では、予備知識が無いと理解できないと言われていました。日本ローカルの舞台や時代を描いた映画なのですが、今回の受賞で人々の心がつながるのだと実感できました。皆さんの心の中に、この映画の登場人物、主人公のすずさんは既に住み始めている、と見えた事が喜びです」。

 真木プロデューサーは「(12日)月曜日にアヌシーに着いて、この日(授賞式は17日)を毎日チーズを食べながら待っていました。この映画は日本で数多くの賞をいただきました。作品賞、監督賞、音楽賞、主演女優賞まで。このアヌシーで賞をいただいて、非常に大きな海外の賞が加わりました。とても光栄なことです。ありがとうございました」。

 同映画は、戦時下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前を向いて生きる女性、すずを描いた物語。昨年11月12日よりロングラン上映されており、公開217日目となる今月15日に累計動員数が200万人を突破。興行収入は累計約25億9000万円に達している。真木プロデューサーのコメントにもあるように、『第40回日本アカデミー賞』(最優秀アニメーション作品賞、優秀音楽賞)、『第90回キネマ旬報ベスト・テン』(日本映画ベスト・テン第1位、日本映画監督賞)、『第71回毎日映画コンクール』(日本映画優秀賞、アニメーション部門 大藤信郎賞、スタッフ部門 音楽賞)、『第59回ブルーリボン賞』(監督賞)、『第67回芸術推薦 映画部門文部科学省大臣賞』(片渕須直)など、国内の映画賞を総なめにした。

 世界各国での劇場公開も予定されている中、アニメーション映画祭としては世界最大にして最も歴史の古い同映画祭の長編部門のコンペティションに選出。長編部門1作目として現地時間12日に行われた上映会は、朝一番(午前10時半)のスタートにも関わらず、982人の観客でメイン会場を満員にした。

 上映後の記者会見で片渕監督は、「70年あまり前の広島・呉の街並みを再現することに挑みました」などと解説。翌日行われたカンファレンスでは、戦前の広島・中島本町について徹底した調査を実施し、制作に臨んだことなどを発表した。授賞式があった17日にも2回目のカンフェレンスが行われ、片渕監督はより詳細に戦前当時の女性の生活、文化などに言及。サイン会には長蛇の列ができたていたという。

 今回の長編コンペティション部門の授賞式では、世界各国から選ばれたコンペ作品(10作品)の中から湯浅政明監督の『夜明け告げるルーのうた』がグランプリに当たるクリスタル賞を受賞。長編部門のグランプリを日本の作品が受賞するのは1995年『平成狸合戦ぽんぽこ』(高畑勲監督)以来、22年ぶりのことで、国産アニメーション誕生100周年の年に華を添える快挙となった。

 同映画祭ではこれまでにも日本の作品が受賞しており、1993年に宮崎駿監督『紅の豚』、95年に高畑監督の『平成狸合戦ぽんぽこ』が共にグランプリを受賞、2007年に細田守監督『時をかける少女』が特別賞を、11年に原恵一監督『カラフル』が特別賞と観客賞をダブル受賞し、15年には原恵一監督の『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』が審査員賞を受賞している。

最終更新:6/19(月) 11:49
オリコン