ここから本文です

地元ファンに愛され日本一 Bリーグ初代王者 栃木ブレックス

6/18(日) 14:30配信

産経新聞

 バスケットボールBリーグ初代王者に輝いた栃木ブレックス。チーム発足以来、着実に地元の支持を集めた10年間の取り組みが実を結んだ。

 20年8月、日本人で唯一、米NBAでのプレー経験を持つ田臥勇太が入団し、大きな話題を呼んだ。田臥はプレー面だけでなく、グッズ販売やメディア露出でも貢献。運営会社の決算にもプラスの効果を与えた。

 チーム初試合は19年10月、入場無料で行われたプレシーズンマッチで観衆は約800人だった。今ではホームに約4千人が集まる。ホームゲームの最高額チケットはベンチ隣のコートサイドSS席、前売り2万800円。選手との写真撮影やサイン会参加などの特典が付く。他チームは1万円前後の他チームで、特典の充実ぶりを差し引いても割高感はあるが、それでも、ファンからは好評で、ほぼ毎回完売するという。

 ブレックスは今季、10万人余の観客を動員し、リーグトップクラス。そこには、企業活動の一環として始まった実業団チームとは異なる、地域に根ざした地道なチーム作りがある。学校でのバスケットボール講座や県産農作物PRに参加するなど地道に活動。宇都宮市の小学6年、西本一貴君(11)は「ブレックスのスクールでバスケを始めた」、同市の高校2年、半田望羽(みう)さん(16)は「ブレックスが小学校のあいさつ運動に来て、招待券をくれた」、壬生町の会社員、小島慶太さん(27)は「僕が出た小さなバスケ大会でブレックスがスポンサーになってくれた」。地域貢献活動がしっかりとファンの心をとらえていったことが分かる。

 東京・国立代々木競技場での川崎ブレイブサンダースとのチャンピオンシップ決勝には、大勢のファンが駆け付け、観客席は川崎サイドにも黄色のTシャツのブレックスファンの姿があり、会場はブレックスの応援が優勢。ブレックス運営会社の藤本光正副社長は優勝報告会で「攻撃時に音楽を流すかリーグに聞かれたが、ファンの大声援を信じて無音にした」と明かした。試合を終えた選手たちも「ホームのようだった」と話した。

 来シーズンは王者として他チームの挑戦を受ける立場となったブレックス。「ファンは勝っても負けても応援しています」。ある女性の一言に、ブレックスが積み上げてきた土台は揺るぎそうもないと感じた。

 (宇都宮支局 豊嶋茉莉)

 ■チーム名に込められたもの 栃木ブレックスのチーム名は「BREAK THROUGH」(現状打破)からの造語「BREX」と名付けた。バスケットボールのREX(ラテン語で王)を目指すという意味も込められている。

 チーム創設は平成19年。日本リーグ下部からスタートし、20年、同リーグ昇格。プレーオフ優勝を果たしたシーズンも。全日本総合選手権では28年に準優勝。

最終更新:6/18(日) 14:30
産経新聞