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放置自転車どこへ行く?取り締まりの意外な“死角” 減らない民有地の迷惑自転車

6/18(日) 9:30配信

西日本新聞

 福岡市は今月1日、違法な路上駐輪を取り締まる「網」を市中心部の全域に広げた。これまで唯一、自転車放置禁止区域に含めていなかった西中洲・春吉地区を新たに指定。放置自転車を見つけ次第、撤去できる仕組みを整えた。これで迷惑な放置自転車はなくなるはず-と思って現場周辺を歩いてみると、自転車が路上を占拠する光景は今もあちこちに。取り締まりの意外な“死角”も見えてきた。

 指定後の3日夜、西中洲・春吉地区。国体道路沿いの歩道では、真新しい「自転車放置禁止区域」の道路標示の上に、鍵をかけた自転車がずらりと並んでいた。

 「指定された後も隙間がないくらい並んでいる。近くに駐輪場がないから、近辺で働く従業員が止めていくのだろう」。近くの居酒屋で働く島田聡さん(40)はつぶやいた。

未指定だった西中洲・春吉地区の違法駐輪は急増

 九州一の繁華街、天神と歓楽街の中洲に挟まれた西中洲・春吉地区はこれまで違法駐輪の“無法地帯”だった。2014年に隣接する中洲地区が禁止区域に指定されると、未指定だった西中洲・春吉地区の違法駐輪は急増。撤去を逃れた自転車が中洲地区から流れ込んだとみられ、市の調査によると放置自転車はこの2年間、時間帯によっては2・12倍に増えたという。

 西中洲・春吉地区では指定直後ということもあって、市は放置自転車をすぐには撤去していないが「もうすぐ他地区と同じように対応する」(自転車課)。だが“死角”がある。市が条例で撤去できるのは、路上や公園など公共の場所に無断で止めているケースのみ。店舗などの民有地は対象外だ。

 1991年に指定された西鉄福岡(天神)駅周辺。今泉公園近くのコンビニエンスストアでは、店内の客よりも明らかに多い30台以上の自転車が入り口をふさぐように並んでいた。男性店長は「店の駐輪スペースを無料駐輪場のように使う人が後を絶たない」と頭を抱える。週末は放置自転車が歩道にはみでて店員が整理することも。西中洲・春吉地区の取り締まりが強化されれば、今度は民有地の無断駐輪が増える可能性は否定できない。

4月から民間の駐輪場の設置を強化

 市中心部の駐輪場は市営だけで12カ所(6295台分)で、人口がほぼ同じ川崎市(5386台分)と比べると多い。だが、有料の駐輪場を避け、コンビニなどの駐輪スペースを利用しようとする人は少なくない。

 市は駐車場付置義務条例を改正し、4月から民間の駐輪場の設置を強化した。今まで対象外だったカラオケボックスやレンタルビデオ店なども駐輪場の設置が必要になり、市自転車課は「便利な駐輪場の増加が、民有地の無断駐輪の減少につながることを期待したい」。ただ、新規出店が対象のため効果が表れるまでにはしばらくかかりそうだ。結局、利用者一人一人のマナーアップが放置自転車を減らす鍵を握るのだが…。

西日本新聞社

最終更新:6/18(日) 9:30
西日本新聞

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