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三菱重工の航空機エンジン子会社が期待する「MRJ」以外

6/18(日) 12:05配信

ニュースイッチ

三菱重工航空エンジン・島内克幸社長インタビュー

 ―航空機大手が豊富な受注残を抱えています。生産状況は。
 「工場はフル操業状態だ。欧州エアバスの主力小型機『A320』などに搭載される『V2500』用部品の生産量が最も多い。今後は次世代機『A320neo』に搭載する『PW1100G―JM』に軸足が移る。生産量は、より増える見込みで生産性向上など対応策を考える」

 ―複数の仕入れ先が共同で受注するクラスターの活用を進めています。
 「当社の協力会社では燃焼器用ケースなど部品ごとに三つのクラスターが立ち上がった。すでに部品出荷を始めたクラスターもある。いわゆる“ノコギリ型”ではなく、一括で加工してもらえるため効率が高まる。ただ、外に出す部分と、自分たちに残すキー技術は分けている」

 ―親会社の三菱重工業が4月に民間航空機の調達機能を神戸地区に集約した影響は。
 「当社は三菱重工に調達機能を委託していたが、4月に自社に取り込んだこともあり、影響はない。三菱重工の名古屋誘導推進システム製作所(愛知県小牧市)の協力会が解散したが、加盟企業以外とも取引しており、影響はない」

 ―国産小型ジェット旅客機「MRJ」のエンジン「PW1200G」の生産に参画します。
 「民間航空機の新型エンジンを日本で最終組み立てするのは我々が初めて。1基目の組み立て作業がいよいよ始まった。9月に組み立てを完了し、2018年1月には出荷できる予定だ。もっと早く始まる予定だったが、ようやく動きだした」

 ―エンジンの修理・整備(MRO)事業の状況は。
 「大型エンジン『PW4000』のMROは90年代から手がけ、累計200台の実績がある。MROの伸びを見込んで、16年度にはV2500でも始めた。月平均2台ほど手がけている。MROはユーザーである航空会社と直接やりとりできるのが魅力。彼らの意見を新規のエンジンの開発や生産にフィードバックできるからだ。今はV2500に集中するため、これ以上、手がけるエンジンの種類を増やす予定はない」

<記者の目>
 三菱重工がMRJの開発遅れにより航空機の機体事業で苦戦する中、好調を維持する。14年の分社化による発足後、仕入れ先のクラスター活動など、独自の取り組みが成果を上げつつある。4月には三菱重工の防衛向けエンジン事業を引き継いだ。規模のメリットやシナジー効果が期待される。
(日刊工業新聞社名古屋支社・戸村智幸)

最終更新:6/18(日) 12:05
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