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70km/h超え! 世界最速エレベーター、どう実現? 「新幹線」などのノウハウ注入も

6/18(日) 14:16配信

乗りものニュース

1階から95階まで43秒

 日立製作所は2017年6月2日(金)、エレベーターの速度試験で、世界最高速となる分速1260m(時速75.6km)を記録したと発表しました。

【写真】世界最高速エレベーターが納入されるビル

 このエレベーターは中国・広州に立つ高さ530mの超高層ビル「広州周大福金融中心」に納入されるもの。速度試験は現地で行われ、エレベーターの公的認定機関である中国の「国家電梯質量監督検験中心」から正式な速度認定を受けたといいます。日立グループで、エレベーターの製造・販売などを手がける日立ビルシステム(東京都千代田区)によると、実運用でも最高で分速1200mを出し、1階から95階までおよそ43秒で上り切るそうです。

 世界最速のエレベーターは、どのような技術で実現したのでしょうか。日立ビルシステムに聞きました。

――分速1260mというスピードは、どのようにして実現できたのでしょうか?

 スピードそのものの要因は、かご(搬器)を吊るロープの軽量化、巻き上げ機に搭載されたモーターの出力大型化などが挙げられます。しかし、実現の大きなカギとなったのは、そのスピードに対応できる安全装置や制御装置を開発したことです。

――クルマでも急に止まれない速度ですが、どのようにして止めるのでしょうか?

 クルマのエンジンブレーキを効かせるように徐々に減速し、最後に、ロープの巻き上げ機のブレーキでロープを挟み込んで止めます。自転車のリムブレーキでタイヤを挟み込むようなイメージです。

騒音対策に高速鉄道の技術

――新たに開発された技術とはどのようなものでしょうか?

 揺れや騒音を抑える装置や、気圧の制御など、快適性を支える技術に新機軸が多く盛り込まれています。垂直方向にかごの走行を案内する「ガイドレール」が設けられているほか、かごの四隅でそのレールに接する「アクティブガイドローラー」と呼ばれる装置が、感知した振動を打ち消す働きをします。また、急激な気圧の変化による耳詰まりを軽減するため、かご内の気圧を制御しています。

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