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巨大地震の再来警戒を 横浜、専門家が講演

6/18(日) 17:00配信

カナロコ by 神奈川新聞

 「歴史地震から考える21世紀の大規模災害」と題した講演が17日、横浜市神奈川区の神奈川大であった。元歴史地震研究会会長の都司嘉宣・深田地質研究所客員研究員が、平安時代の869年に起きた貞観地震と東日本大震災の酷似性を指摘。貞観地震の9年後に関東で大規模地震があったとして、その再来に対する注意や備えを呼び掛けた。

 都司氏は各種の調査結果を基に、震災と貞観地震の津波浸水域が「ほぼ同じだった」とした上で、「貞観地震の溺死者は千人とされているが、当時の日本の人口は約600万人。今の人口に置き換えれば犠牲者は2万2千人ぐらい」とし、被害規模にも共通点があると論じた。

 9世紀は富士山の貞観噴火(864~866年)や南海トラフの仁和地震(887年)などが相次ぐ「災害の世紀」だった。東日本大震災以降、水害や火山噴火が多発する現在の状況をなぞらえる研究者も少なくない。

 都司氏は9世紀の災害のうち、相模や武蔵で被害が大きかった878年の元慶地震に着目。その液状化痕が埼玉や千葉で見つかっているとして、1923年の関東大震災級の巨大地震だった可能性を強調した。

 一方、南海トラフの一部である静岡・駿河湾で切迫しているとされてきた「東海地震説」について「提唱から40年たって起きていないのだから、間違いだったというべきだ」と指摘。ただ、南海トラフ地震のこれまでの発生履歴を考慮し、次の地震は「2035年ごろに起きるのではないか」との見方を示した。