ここから本文です

高齢者と心つなぐ修了証書 若手保健師、「金武くとぅば」学び手作り 

6/18(日) 15:15配信

沖縄タイムス

 「なーみや申年のちゃ~がんじゅう教室うてぃ いっぺがはまやびたぐとぅ…」(あなたは申年のちゃ~がんじゅう教室において、とてもがんばったので…)。今春、金武くとぅばで書かれた修了証書が金武町の「ちゃ~がんじゅう教室」参加者に配られた。保健師の与那城未裕さん(25)が「参加者と深く関わりたい」と、しまくとぅばを学び手作り。健康づくりに明るく取り組んでもらおうというアイデアが、高齢者の心をほっこり明るくした。(北部報道部・西江千尋、阿部岳)

この記事の他の写真・図を見る

 同町包括支援センターの教室は、65歳以上を対象に、健康維持、認知症予防を目的とする。町内5区の公民館などで週1回開催。参加者はバランス運動やストレッチを楽しむ。

 教室は継続して参加でき、これまで修了証書はなかった。昨年度、同センターに着任した与那城さんは「教室で参加者がしまくとぅばで話していても、理解できなかった」。金武町出身だが、接する機会がなかったためだ。「私には気を使ってか、参加者は標準語を話す。深く関わるには言葉が大事だと痛感した」

 そう気付いて、町文化協会しまくとぅば部会の勉強会に通い始めた。職場の上司から提案され、金武くとぅばによる修了証書作りに取り組んだ。

 その過程で、金武くとぅばの面白さに気付いた。「あなた」は、テレビで触れた首里くとぅばで「うんじゅ」。これが金武くとぅばでは「なーみや」。「とても」は首里くとぅばは「いっぺー」だが、金武では「いっぺが」となる。地域独特の表現も見えてきた。

 4月、並里公民館での授与式。与那城さんは「方言はまだ勉強中なので、間違っていたら教えてくださいね」。金武くとぅばによる修了証書であることを明かした。

 修了書を手にした5人は最初驚いて書面を見つめていた。やがて口々に喜んだ。「心がこもっている」「家のよく見える場所にかけておこう」

 安次富邦子さん(78)は「方言でもらうのは初めて。町の花の桜も描かれていて上等」。「とてもうれしい」と話した宜野座菊子さん(82)。「『おわい』は『うわい』が良くないかね。『教室うてぃ』は金武では『教室てぃ』と言うね」と改善点を伝えた。

 金武くとぅばといっても、金武、並里、伊芸、屋嘉、中川と各区で表現が異なる。「これは私たちの区と表現が違うね」「幼い時はどこの区に住んでいた」。証書がきっかけとなり会話も弾んだ。与那城さんと参加者の距離もぐっと縮まった。「来年はもっと上等に作るから、また教室に来てよー」。参加者に呼び掛けた与那城さん。来年の修了書の表現を磨こうと張り切る。

最終更新:6/18(日) 15:15
沖縄タイムス