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外代樹夫人の半生歌に 八田技師の献身妻、七尾の椿さん制作

6/18(日) 1:48配信

北國新聞社

 日本統治時代の台湾で農業水利に尽くした八田與(はったよ)一(いち)技師(金沢市出身)の妻、外代樹(とよき)夫人の半生をつづった曲「おもひで桜」が完成した。献身的に夫を支えた内助の功や、技師の後を追って身を投げたはかなさなどを詞に盛り込んだ。日本文化海外普及協会(東京都)代表理事の塩幡一二(しおはたいちじ)さん(82)=千葉県流山市=が七尾市の歌手椿れいさんに制作を依頼した。同協会は今後、都内で開く外国人向けサロンで曲を紹介し、八田夫婦の功績を世界に伝える。

 昨春、塩幡さんから作詞の依頼を受けた椿さんは、八田技師の携わった台南市の烏山(うさん)頭(とう)ダムなどを訪れ、技師に連れ添った夫人の思いや苦労に思いを巡らせて作詞し、台湾の国民的な歌謡曲「望春風」のメロディーに乗せた。協賛金を集め、CD1千枚を自主制作した。

 歌詞は4番まであり、夫人が台湾に咲く白い花「油(ヨウ)桐花(トンファ)」を見て故郷の白山を思い出す場面や、技師が亡くなった後にダムに身を投げるまでの半生を描いた。

 日本文化海外普及協会は月に1回、都内で外国人向けの日本文化サロンを開き、参加者に茶道や生け花などの体験機会を提供している。今後はサロンで「おもひで桜」を紹介し、曲を聴いてもらうことで、八田夫妻の存在や業績を世界に発信する。CDは、石川県内の自治体や台湾関係の団体などに配布する。

 七尾市などの観光団体でつくる能登インバウンド観光協働委員会の会長も務める塩幡さんは、台北市に生まれ、小学5年で千葉に移り住んだ。

 塩幡さんは「八田技師が台湾で尊敬、顕彰され、故郷の石川で功績が広まっているように、歌を通じて夫人も紹介していきたい」と話した。椿さんは「若い人も含め、多くの人に八田夫妻の業績や人柄を知ってもらいたい」と思いを語った。

 塩幡さんと椿さんは、北國新聞社を訪れ、曲の完成を報告した。

北國新聞社

最終更新:6/18(日) 1:48
北國新聞社