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災害時アスベスト対策 兵庫県内25市町、防災計画定めず

6/19(月) 7:30配信

神戸新聞NEXT

 地震など災害時に壊れたり、適切に解体されなかったりした建物からのアスベスト(石綿)飛散について、兵庫県内で防止策を地域防災計画に規定している自治体は、兵庫県と、41市町中16市町にとどまることが神戸新聞社の取材で分かった。阪神・淡路大震災後の石綿飛散による健康被害が表面化し、熊本地震でも同様の問題が浮上。専門家は計画に規定し平時から備える重要性を指摘する。


 石綿はかつて建材などに多用され、飛散した繊維を吸い込むことで中皮腫や肺がんなどを発症する恐れがある。2012年までに使用や輸入などが全面禁止されたが、古い建物の建材には使用されている可能性がある。

 阪神・淡路の当時は危険性についての認識が広まっておらず、解体作業などで飛散防止の対策が講じられず、防じんマスクを着用しないまま作業に携わった人が中皮腫などを発症。少なくとも4人が石綿に起因する病気で亡くなり、労災認定を受けている。

 地域防災計画に石綿飛散防止策を規定することは災害対策基本法上の義務ではないが、災害時は建物倒壊や解体、がれきの集積などで飛散する恐れがあるため、環境省は07年策定の災害用マニュアルで規定を推奨。内閣府も「規定が望ましい」としている。

 神戸新聞社が今年5月下旬~6月上旬、県と41市町に取材したところ「地域防災計画に規定している」と回答したのは県と、神戸、尼崎など16市町だった。規定していない25市町のうち姫路、西宮、明石など17市町は「規定を検討中」。8市町は「規定する予定はない」とした。

 また、豊岡、芦屋など5市は災害時の石綿含有廃棄物の仮置き場確保など具体的な取り扱い手順を決めているが、兵庫県と36市町は定めていなかった。18市町は災害時の石綿吸引を防ぐためのマスク備蓄や入手先確保をしていなかった。いずれも環境省が推奨している施策だ。

 災害時の石綿飛散などに詳しい立命館大の南慎二郎専門研究員(38)は「自治体は災害時に避難所や住宅確保などの課題に追われるだけに、平時から石綿使用建物の把握、解体から廃棄物処理までの幅広い対応を、詳細に決めておく必要がある」と指摘する。(小林伸哉、高田康夫)

最終更新:6/19(月) 18:46
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