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メル・ギブソン、10年ぶり監督復帰を決心させた銃を持たない兵士の勇気

6/19(月) 8:16配信

シネマトゥデイ

 メル・ギブソンが10年ぶりにメガホンを取り、作品・監督賞を含むアカデミー賞6部門にノミネートされ2部門で受賞した『ハクソー・リッジ』は、第2次世界大戦中、武器を持つことを拒否し、沖縄戦で75人もの命を救った実在の衛生兵デズモンド・ドスを描く感動のドラマだ。『アポカリプト』以来となった久々の監督作にかける思いを、メルが米ビバリーヒルズのホテルで語った。

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 「10年ぶりだからね。ガレージに何年も置かれた車を動かすときみたいに、部品をチェックしたり、オイルを入れたり、始める前にいくつかのことをしないといけなかった。何をすればいいか忘れてしまっていたんだ。(赤ん坊のように)まず立ち、それからはって、歩いて、最後には走っているという感じだったよ」と語るメル。

 『ブレイブハート』『パッション』などの傑作を手がけてきた名匠とは思えない言葉だが、今作をやると決めた理由は、主人公の想像を絶するヒロイズムに惹かれたからだと言う。「良心的兵役拒否者であるドスのストーリーにとても引きつけられたんだ。誰もが彼のことを臆病者だと思って迫害した。でも彼は、敵の砲火の中をはって行って、負傷者を助けた。武器も持たずにね。そんなことは怖すぎて僕にはできないし、ほとんどの人が出来ないだろう。まさにヒロイズムの頂点だ」。

 「戦争は、人間を動物のレベルに引き下げる。でも、動物のようになる必要はない。ドスは、アメリカ人だろうと日本人だろうと気にせず、負傷者を助けた。上官にやめろと言われてもやめなかった。戦争という無益なものの中で、勇気ある崇高な道を歩んだ人なんだ」。

 撮影現場で、少しだれ気味だった日本兵役のエキストラに気合を入れようと、「ここは君たちの土地なのに、彼らが侵略してきているんだ。彼らに土地を奪わせるんじゃない」と言うと、俄然、真剣になったと言う裏話も披露。彼にとって、第2次世界大戦を扱うのは初めてのことでもあり、沖縄戦を描くにあたってリサーチを重ねたという。「沖縄戦は、太平洋戦でもっとも過酷な戦いだった。沖縄の人々は子供と一緒に崖から飛び降りたりしたんだ。本当に悲惨なことだった。誰にとってもね」。

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最終更新:6/19(月) 8:16
シネマトゥデイ