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「ドアは開いている」と日米加入呼びかけ AIIB総裁

6/19(月) 17:10配信

ZUU online

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁が年次総会会場の韓国・済州島で記者会見し、日米両国に「これからもドアを開き続ける」と加盟を歓迎する意向を改めて強調した。習近平・国家主席の経済外交「一帯一路」政策を資金面で支えるAIIBの残された課題は、日米両国の加盟問題である。

■「一帯一路」経済外交の中国の出資率50%

AIIBは欧州から中国を結ぶシルクロード圏とアジア周辺国を結ぶ「一路一帯」にある国を主たる加盟国として誕生した。AIIBは最大の出資国である中国から英国、ドイツ、フランス、ロシア、インドなど創設メンバー57カ国で発足した。

AIIBは本店を北京に置き、総裁は中国人、出資額は1000億ドルの半分を中国が拠出し、25%はアジアから、残り25%はその他の地域からの出資だ。日米が主体となるアジア開発銀行(ADB)は、日米がそれぞれ15.65%であることと比較すると、AIIBに対する中国の出資比率は異常に高い。

ADBは理事会で最終的に融資案件を承認している。出資比率が高い国の議決権を減らし、途上国など比率の低い国の議決権を増やすことによって、出資比率が高い国が圧倒的に有利にならないよう議決権を調整している。AIIBではその点が不透明で、中国主導で運営される可能性がある。

■安倍首相AIIB加入に依然として慎重姿勢

AIIBが日米に参加を促す理由は2つあるとされる。1つは信用力の補完である。出資国の上位に世界経済1、3位の日米が加われば、国際機関としての信用力は増す。ムーディーズ・インベスターズ・サービスが5月に、中国の長期国債格付けを引き下げた。「債券発行について、年内に3つの格付け会社から取得する」(金立群総裁)というAIIBにとって、これは試金石である。

もう1つは人材の確保だ。AIIBの職員は100人ほどで、ADBの3千人と比べ少なく、経験不足で融資案件の発掘も容易ではない。日米が加盟すれば、国際機関で勤務経験のある人材確保のルートが幅広くなる。

安倍首相は6月5日、「一帯一路」について、「協力をしていきたいと考える」との姿勢を示すと同時に、同構想下でのインフラ整備への協力には「透明で公正な調達」などの注文をつけた。首相は16日には「疑問点が解消されれば前向きに考える。今は運用を注視している」と述べ、条件が整えば検討することを否定しなかった。参加を見合わせている現状については、「公正なガバナンスの確立や、借り入れ国の債務の持続可能性など疑問点が解消されていない段階では参加していない」と説明している。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

最終更新:6/19(月) 17:10
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